■茨城県指定有形文化財(彫刻)
天台宗慈心院(じしんいん)雷電山(らいでんさん)万福寺
~木造阿弥陀如来(あみだにょらい)両脇侍三尊立像(りょうわきじさんぞんりゅうぞう)~
所在地:行方市羽生745
寺伝によると、都から逃れてきた平貞能(たいらのさだよし)が出家して、現行方市若海に庵(いおり)を構え、寛正(かんしょう)5(1464)年に芹沢俊幹(としもと)が芹沢に万福寺として開基した後、元禄10(1697)年に水戸藩の政策で現在地に移されました。本尊の阿弥陀如来(あみだにょらい)像は、像高96cm、細い針金を寄り合わせた螺髪(らほつ)と玉眼(ぎょくがん)の上品な顔立ちで、衣は金箔の切抜き紋、足裏には仏足石にならった輪宝(りんぽう)と華瓶(けびょう)(花瓶)の截金(きりかね)が施されています。わずかに開いた口から4本の歯が見える、全国でも数少ない歯吹像(はふきぞう)です。像高72cmの観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)、勢至菩薩(せいしぼさつ)の脇侍像と共に室町時代中期の作で、稀有の秀作といわれています。現地案内板のQRコードから説明動画を視聴することができますので、ぜひご利用ください。
※茨城県史料中世編1.(1970茨城県史編さん中世史部会)、玉造町史(1985玉造町史編さん委員会)、玉造史叢第4、13、17、28、46集(玉造郷土文化研究会)、万福寺「縁起略記」を参考にしています。
問合せ:生涯学習課文化・社会教育グループ
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