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なめがた大使小林光恵さん書きおろしエッセイ 五感でキャッチ!なめがた漫遊記第4回

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茨城県行方市

◆同級生
運転免許更新の講習で「漫然運転は事故のもと」と教わり、心で大きくうなずいた私だったが……。漫然と運転をしてしまっていることが多い。
けれど、行方市やその近辺を運転する際は、決して漫然運転にはならないのだ。それは、すれ違う車や信号待ちの後車の運転者をしっかりと見て取りたいため、終始少々ハイになっているからだ。その人が同級生かもしれないから。
人によって同級生へのおもいは量的・質的にさまざまだろう。私の場合、両親を喪失後、同級生をとても懐かしく思うようになった。
六十代に突入した今、ごく一部の同級生以外は五十年近く顔を見ていないのだ。ゆえにその分の外見的経年変化があり、もし同級生とすれ違ったとしてもそれとわからないと思われ、逆に「もしかして」の気持ちがかき立てられるわけで。
先日、行方市役所玉造庁舎前の交差点でにわかに私の中の「もしかしてランプ」が点滅。赤信号で斜め前に停車した車の運転席の男性が、小学校何年生かの時に同じ組だったK君(彼と話した記憶はない。名前が思い出せずK君とする)ではないか、と。
K君は小学校時代のある雨の日、一緒に下校する男子に「オレは青色の傘だから。雨の日だって青空の感じがするんだから」と教室で話していた。私は子供心に「へえー、なるほどなあ」と思った。
車ですれ違った人はほぼ100%K君ではないだろう。でも、青色の傘の話を思い出せてうれしかった。
その後、市内直売所で明らかに同級生と思しき男性を見かけ、それを仲良しの幼なじみに「若々しい感じだったよ」と付け加えて報告したら「あっ、それはね、息子さんのほうだよ」だって。

◇小林光恵さん
先日、虹の塔に初登り。行方の各方面に「おーい」って呼びかけたくなりました。
行方市出身。つくば市在住。小学校の運動会の鼓笛隊では、鉄琴がやりたかったけど「身体が小さいから」とリコーダー担当に。先生の判断は適切だったと今では思います。
市公式ホームページ内で「行方帰省メシ」連載中。

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