【特集】かしまの夏(2)

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鹿嶋市地域おこし協力隊
大澤　智枝　Osawa Chie

●地域おこし協力隊としての活動は?
「観光で鹿嶋市を盛り上げること」を活動のミッションとしています。コロナ禍の令和3年春の着任で、どのように活動すべきか悩みましたが、「観光情報発信」という観点から、SNSを通じた発信、「鹿行ナビ」という観光情報サイトへの執筆、FMかしまへの出演、市観光ホームページの作成からスタートしました。
その他の活動として、1年目には、鹿嶋・北浦・水郷地域を巡るサイクリングマップを作成しました。2年目以降は自転車の活動を軸に、市内30施設にサイクルサポートステーション(※1)を導入したほか、サイクリングガイド養成講座を受講しました。講座受講後は市内でサイクリングツアーを実施したり、県内で行われるサイクリングイベントのサポートガイドも行いました。そして今年度が活動最後の年となります。

●なんで鹿嶋で自転車なの?
自転車に着目した理由は二つです。
一つ目は鹿嶋を車以外で観光する際、電車やバスの本数が少ない鹿嶋では、自転車が有効なのではと考えたこと。実際、都内に住む友人は車の免許を持っていない人が多いので、鹿嶋を観光する際の手段を考えた時、「レンタサイクル」が必然的に選択肢に入ってきました。
二つ目はJR千葉支社が運行するB・B・BASEという列車(※2)が鹿島神宮駅に乗り入れていること。サイクリストは鹿嶋に来ているのに、市内を巡るサイクリングマップがないのが残念で、「マップがないなら作ればいいんだ!」と思いました。この時から私の活動の軸が「自転車」になりました。私の想いを理解し、協力してくださる市役所の皆さんには感謝しかありません。

●地域おこし協力隊だからわかる鹿嶋の魅力って?
海や湖が近くにあり自然豊かな一方、国道沿いには商業地区があり、買い物に困らないこと、東京まで高速バスですぐに行けることは鹿嶋の魅力です。
私は自転車通勤なので、五感で鹿嶋を満喫しています(笑)。例えば、空が広いことに感動したり、空に浮かぶ面白い雲を見つけたり、ウグイスが鳴いているのを聴いたり、パン屋さんの匂いにウキウキしながら通勤しています。お気に入りは通勤中に見えるトトロの森のような場所で、その風景に癒されています。このように日々小さな喜びを感じられるのが鹿嶋の魅力です!皆さんにとっては当たり前に感じることも、東京から移住した私にとっては格別です。都内では人混みに毎日イライラしながら通勤していたので…。休日はアウトドアな趣味が楽しめるのも魅力の一つ。自転車、釣り、サーフィンなど休日の過ごし方が東京にいる時とは180度変わりました。

●サイクリングコースを利用する方へ
海も湖もある、景色の変化に富んだサイクリングを楽しめるのが鹿嶋のサイクリングコースの魅力です。海では波の音を、湖では鳥のさえずりや魚の跳ねる音をBGMに、五感をフル活用して鹿嶋をお楽しみください。雑音のない自然に囲まれた環境で、自転車を漕ぐだけで心が癒され、普段運動しない方でも適度な運動に心地よい疲れを感じることができると思います。
「乗りたいのに自転車ないし…。」という方もご安心ください。鹿島神宮駅周辺には3つのレンタサイクルスポットがあります。ちなみに観光案内所では、鹿島アントラーズのホームゲーム開催日にスタジアムで自転車を乗り捨てできる「乗り捨てプラン」も実施しています。
普段見ている景色も、自転車に乗ればきっと違って見えるはず。ぜひ自転車で鹿嶋を巡ってください。

※1　サイクリスト向けにサイクルラックを設置し、トイレや空気入れの貸出を行う施設。
※2　自転車を解体せずにそのまま車内に持ち込める、サイクリストには嬉しい専用列車。