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特集 鹿とサウナ-NO SAUNA NO LIFE-(2)

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茨城県鹿嶋市

・鹿とサウナ オーナー
飯島 光修(いいじま みつなが)さん
鹿嶋市出身
清真学園高等学校卒業。大学在学中に、公認会計士試験に合格。現在は東京都内のIT人材ベンチャーで勤務し、そこで東佐古さんと出会う。祖父の代から大切に守ってきた土地を受け継ぎたい、地元鹿嶋市を盛り上げたいという想いから鹿とサウナの開業を決意した。

・鹿とサウナ 店長
東佐古 滝大(とうさこ りょうた)さん
山口県光市出身
大学までプロサッカー選手を目指していた元サッカー小僧。大学卒業後、IT人材・コンサル会社にて営業職に従事。31歳で独立して鹿とサウナの店長になる。熱波師の資格を持つ。2023年に東京都から鹿嶋市へ移住した。

■サウナ開業のきっかけは?
飯島:元々この土地に飯島商事のオフィスと自宅があって。飯島商事は、父が祖父から継いだ会社です。2年前に父が亡くなったのをきっかけに活用方法を考え始めました。父や祖父からこの土地や会社の大切さを聞いていたので、何とかこの地を受け継いでいきたい想いでした。今は東京で働いているのですが、いつか鹿嶋に帰って事業をやりたい、鹿嶋を盛り上げたいという想いがありました。この土地は、森も少しあって鹿島神宮も近く、風通しもよくて、サウナ施設向きです。昔からプライベートサウナは構想にあって、特に一人ひとりに向き合い、喜んでもらえる良いビジネスモデルだなと思っていました。
一人ひとりにいい時間を過ごしていただくために、良質なサービスを届けるホスピタリティ溢れる店長やメンバーが必要だなと思い、当時会社の同僚で、サウナ好きだった東佐古に声をかけて、2人でこの鹿とサウナを開業しました。

■開業に向けて多くの方に支援いただいた際の想いは?
東佐古:開業に向けて、クラウドファンディングを実施しました。最初100万円で設定していて、それを4時間で達成したんです。最終的に約267万円もの支援をいただきました。
飯島:うれしかったですね。昔からの友達も応援・支援してくれたし、友達のつながりや温かさをすごい感じたクラウドファンディングでした。これがあったからオープンできたと感じています。

■鹿とサウナのこだわりは?
東佐古:1つ目は、動線です。サウナ室を出てすぐに水風呂がある、水風呂を出たら椅子があって、すぐにととのえる。このサウナの基本動作をするための動線をぎゅっと一カ所に絞った造りにしています。
2つ目は、薪ストーブです。基本的に温浴施設にあるサウナの熱源は、電気かガスです。サウナ室に入ったらわかると思いますが、火なので、人に対しての熱の伝わり方が全然違います。汗も、電気やガスと比べて、ぱっと吹き出てきます。サウナ好きの仲間たちと、山梨県にある88PEAKS(エイトピークス)というサウナ施設に行った際に、初めて薪サウナに入ったのですが、全然違うのを実感して、薪サウナに取りつかれました。やるなら絶対薪ストーブだよねって。ストーブは、長野県にあるケンズメタルワークさんに作成してもらいました。サウナ室の中で、火と自分と向き合う時間になるように、窓を大きく造っています。
3つ目は、サウナ室です。細かいですが、煙突を長く上に向けて直管にしています。空気の循環が良くなるよう燃焼効果をもたらす設計にしてもらいました。サウナ室を造る際に、空気循環が大事なことを学んで、給排気口の位置をどうするか、2人でかなりディスカッションして決めました。ストーブがサウナ室のサイズに対して、大きめのスペックなので、室温は最高110℃くらいまで上昇させることができます。
飯島:ここまでこだわってるプライベートサウナは、なかなかないと思います。鹿嶋市初のサウナ専門施設です。

■ととのい空間でお客さんと接する際に心がけていることは?
東佐古:僕の中で、ホスピタリティはかなり重要だと思っていて、お客様と接するときに、接し方を変えています。サウナプランを3つ準備していて、(1)初心者向けにレクチャーするコースと、(2)アウフグースコースと、(3)お客様だけで楽しんでもらうコースがあります。例えば、夫婦やカップルで来て、『2人だけで楽しみます』という方に関しては、薪入れする際に、あまり声をかけないようにしたり。アウフグースをする場合は、積極的に『温度どうですか』『次もやりますか』と声かけをしたり。そのお客様がどういう目的でここに来てるのかみたいなところも、ちょっと想像しながら、対応を考えています。
あとは、施設の清潔感も意識しています。埃や髪の毛が落ちていたり、化粧水の蓋が汚れていたり、自分がサウナに行った時に、嫌だなと感じる部分は丁寧に清掃して、気持ちよく使ってもらえるようにしています。サウナ室内もサウナマットを敷いたり、給気口に自動ファンをつけることで足元の熱さを軽減できるような工夫を施しています。

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