440(よしお)モノ作りに熱中しすぎて腰痛い…らしいよ?
みんなー!心配してあげて♥
ハンドメイド作家(レザークリエイター) 440(川﨑 恵生(かわさき よしお))
■繊細で天才なレザー職人
今回の特集では、鹿嶋市在住の才気溢れるレザークリエイター440(よしお)さんの非凡なキャリアと作品を紹介します。子どもの頃から工作やデザインの勉強に情熱を傾け、独学でレザークラフトの技術を磨いた440さんは、創造性と熟練の技術を兼ね備えた作家です。
2016年には、『minneハンドメイド大賞』で画期的なデザインの財布で、見事大賞を獲得し、その名を全国に知らしめました。この作品は、お尻をモチーフにしたユーモラスで斬新なアプローチが評価され、440さんのキャリアにおける重要なターニングポイントとなりました。
大賞受賞後も、全国でワークショップを開催し、初心者から上級者まで、幅広い層の参加者にレザークラフトの魅力を伝えています。作品に対する徹底したこだわりと完成度の高さは、最大の魅力です。人柄もまた、440さんの大きな魅力の一つです。440さんのワークショップや展示会に足を運ぶ多くの方々は、そのユニークなキャラクターと温かい人間性に惹かれ、繰り返し参加する方も少なくありません。
440さんがどのようにしてクリエイティブな道を歩んできたのか、どのようにして人々とつながり、コミュニティに貢献しているのか。鹿嶋市が誇る才能溢れるアーティストの物語を紹介します。
ーモノ作りの究極であるために
■作家になったきっかけは?
昔からモノ作りとか、絵を書くのが好きでした。何かやることないかなって始めたのではなく、昔からそれをやっていたから、その延長線でやっているだけです。小さい頃は、段ボール工作が好きでした。小学校の担任だった中山先生が、レタリング(文字デザイン)や工作をするのが上手で、子どもたちが遊べるように、スマートボールや、野球盤を作ってくれて。それが楽しくて、自分も作りたいと思ったし、のめり込んでいくきっかけになりました。中学校や高校では、授業中ずっと友達のノートに絵やレタリングを書いてました(笑)
■minneハンドメイド大賞2016で大賞を受賞した時の気持ちは?
minneのスタッフの方に教えてもらったのが応募のきっかけでした。minneハンドメイド大賞の受賞項目は約20項目ありました。僕は、お尻をモチーフにした財布「Panty Minaj(パンティー ミナージュ)《L》feat(フィート)…JAPANESE(ジャパニーズ)」で応募していたので、良くても話題賞かと思っていました。まさかの大賞を受賞して(笑)本当にスタッフの方々にドッキリを仕掛けられたのかと思いました。2万300点以上の応募作品の大賞だったので、うれしかったです。当時24歳だった僕は、いただいた賞金にドキドキしていて、中を開けてみたら「賞金50万円也」と書かれた紙だけ入っていたのを鮮明に覚えています(笑)
■大賞受賞後の環境や気持ちの変化は?
元々クオリティへのこだわりは強い方ですが、これからは、絶対に妥協できないと気が引き締まりました。自分の基準と、手にとってくれるお客さんの基準は違うと思います。お客さんに満足してもらうのは当然ですが、自分が満足して胸を張れるものを提供したい気持ちが、大賞を受賞してからより強くなりました。
大賞を受賞したことへのプレッシャーもあり、作品の完成度やこだわりが一気に強くなったのがこの時期です。今では、自身の制作より、デザインの仕事やワークショップが中心になってきています。
■作品作りのこだわりは?
モノを作るとき、作家であれば普通、「売れるモノを作ろう」と考える人が多いと思います。でもそれが簡単にわかれば、みんながお金持ちになれると思うんです。僕は売れるモノなんて作れない。作れないし作らない。ただ「作りたいから作る」シンプルなんです。
僕は、品質に納得できないものについては、「訳あり品」として提供・販売しています。買われた方からは、何が訳ありかわからないって言われますが、私の中ではそういう問題ではありません。基準を高く、そこにはプライドを持ってやっています。
■デザインやアイデアはどこから生まれる?
参考にしているものは全くなくて、本当に感覚だけです。お尻の財布については、友達との雑談の中で生まれました。パンダのデザインについては、白黒の皮を使った制作をしようと考えて、シャチ・ウサギ・パンダの財布を作りました。その中でもパンダがやけに売れて、そこでパンダ人気のすごさに気づきました。実は、僕は実物のパンダを見たことがなくて、これも感覚でデザインしたんです(笑)かなりデフォルメされています。パンダの中に、犬っぽさが入ってるんです。僕の中では、本物のパンダは全然違うので、これは見たことないからできた作品ですね。
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