■鹿嶋市の医師不足解消に向けて
茨城県は、医師数が全国平均よりも低く、人口10万人あたりの医師数は、全国ワースト2位という厳しい状況です。また、最新の統計では、つくば医療圏と鹿行医療圏では、5倍以上の医師数の差があり、県内でも地域格差が大きいことが指摘されています。
この医師不足は、救急患者の受け入れ体制にも影響を及ぼしていて、地域医療の課題となっています。
そこで、鹿嶋市では市民の皆さんが安心して医療を受けられるよう、医師の確保や救急医療体制の強化など、さまざまな取り組みを行ってきました。
これにより、鹿行医療圏の中では、着実に医師数が増加しています。
しかしながら、救急受入数は年々増加しているものの、医療資源には限りがあるため、市民の皆さんには適切な受診や救急要請へのご協力をお願いします。
■市民が安心して医療を受けるための 鹿嶋市の取り組み
1.医師確保支援事業
医療機関が常勤医師を新たに雇用する場合や、大学が非常勤医師を医療機関へ派遣する際に、医師の人件費の一部を補助し、医師の確保に努めています。
2.循環器内科医の配置(令和5年度~)
昭和大学、茨城県、鹿嶋市が協力して「茨城県地域循環器救急医学寄付講座」を開設する協定を締結。これにより、昭和大学から小山記念病院に循環器内科の常勤医師2人が配置され、循環器疾患への対応が強化されました。
3.小山記念病院の二次救急体制を強化
手術や入院を要する重症患者を休日や夜間に受け入れるため、「二次救急告示病院救急医療強化事業」を実施。これにより、地域の救急医療体制が強化され、緊急時に迅速な対応がより可能になりました。
4.休日医療体制の充実 夜間小児救急診療所の運営
休日でも、医療を受けられるよう鹿島医師会に在宅当番医制診療業務(休日当番医)を委託。また、中学生以下のお子さんの急な体調不良に対応できるよう毎日20時から23時まで診療を行う「夜間小児救急診療所」を運営し、比較的軽症な患者を対象とした一次救急体制を整備しています。
5.看護師確保に向けた修学資金貸与事業(令和6年度~)
医師の確保はもちろん、看護師の確保も重要です。そのため看護師学校に在学する学生に対して修学資金を貸与し、卒業後に市内の病院や診療所に勤務した場合、一定年数の勤務を条件に修学資金の返還を免除する事業を開始しました。
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