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自治体の皆さまへ

未来を担う子どもたちのために(1)

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茨城県鹿嶋市

New Year Conversation
・市夜間小児救急診療所管理者(三笠小児クリニック 院長)
箕輪 富公(みのわ よしまさ)先生
・鹿嶋市長
田口 伸一
・認定こども園 大野めぐみ保育園 園長
中西 三千子(なかにし みちこ)先生

■認定こども園 大野めぐみ保育園 園長
中西 三千子(なかにし みちこ)先生
昭和33年から開園した大野めぐみ保育園(旧慈眼寺(じげんじ)幼稚園)で2代目園長を務める。大野地区において、大野ひかり保育園と併せて合計407人の子どもたちへの保育を提供している。『ありがとうございます、ごめんなさいを素直に言える子ども』を保育信条に掲げ、保育と子育て支援に尽力している。

■市夜間小児救急診療所管理者(三笠小児クリニック 院長)
箕輪 富公(みのわ よしまさ)先生
昭和21年、潮来市(旧大生原村)生まれ。昭和46年に順天堂大学医学部を卒業。昭和54年医学博士取得。越谷市立病院、鹿島病院勤務を経て昭和62年に三笠小児クリニックを開院。以来、土・日曜日も診療する医院として小児医療を支えている。また、鹿嶋市夜間小児救急診療所管理者として、地域の小児医療体制の構築に尽力し、令和5年日本小児科学会小児保健賞を受賞した。

田口:私は、日頃から鹿嶋の子どもたちには、『元気に、賢く育っていってほしい』と考えています。そのために、保護者や周りの大人たちによるサポートで『健康で丈夫な身体』を作ることはもちろんのこと、子どもたち自身も、多くの方々との交流や学習・体験を通じながら、未来を生き抜くための力を身に付けていくことが重要だと考えます。それは行政だけで成し得るものではなく、多くの関係者や地域の皆さんの力が必要です。
現在、市では、さまざまな子育て支援を行っていますが、その中でも、長年に渡り子どもたちを見守り、支援を続けてこられた、鹿嶋市夜間小児救急診療所管理者(三笠小児クリニック院長)の箕輪富公先生と、認定こども園大野めぐみ保育園園長の中西三千子先生とともに、本市における子育て支援のあり方について考えていきたいと思います。

■子どもの命と健康を守る「小児救急医療」
箕輪:私は昭和46年から小児科医として働き始め、大学病院などでの勤務を経て、鹿島病院の小児科医長に就きました。鹿島開発が進む中、大気汚染により小児の気管支喘息が問題視されたため、学童の喘息調査を実施したほか、コンビニやファストフード店の増加に伴い、小児肥満の増加が危惧されたことから、学童の肥満・やせ調査を先輩医師や行政の皆さんと十数年間続けてきました。鹿島病院を退職後、昭和62年12月に三笠小児クリニックを開院しました。開院してからも母校の大学病院での週1回の診療を続けたことで、重篤な疾患や緊急患児の大学病院への紹介受け入れがスムーズにでき、鹿嶋市夜間小児救急診療所への医師派遣もお願いできました。今でも医局や若手小児科医師たちとの交流は絶やさないようにしています。
田口:長年、鹿嶋の子どもたちの命とともに健康に寄与していただき、言葉に言い尽くせないほど感謝しています。加えて、箕輪先生には忙しい診療の合間をぬって、乳幼児健診、予防接種のほか、各学校や幼稚園・保育園の校医・園医など、多くのご協力もいただいています。子どもたちの育ち、そして保護者の方への継続的な支援に対し改めてお礼申し上げます。そのような中、夜間小児救急診療所の開設にも大変ご尽力いただいた訳ですが、これまでの経緯や苦労話などを聞かせていただければと思います。
箕輪:当時、茨城県は全国でも小児科医の少ない県であり、特にここ鹿行は深刻な地域でした。平成15年3月に小児の二次救急を担っていた総合病院の小児科が閉鎖され、鹿行地域の小児救急体制の早急な整備が求められました。県・市・鹿島市郡医師会(現鹿島医師会)が一体となり協議を重ね、平成16年1月に保健センター(現教育センター)に、鹿嶋市平日夜間小児救急診療所を開設しました。
開所当時は、他科の医師にも協力をお願いしていましたが、小児科医の診療を望む声が多く、大学病院小児科医局から医師を派遣してもらい、平成23年2月から365日無休の診療が可能になりました。市町村が開設する小児救急体制は、県内8箇所ありますが、365日夜間診療を行っているのは、鹿嶋市と水戸市のみです。今後も神栖済生会病院小児科と連携し、鹿嶋市夜間小児救急診療所を継続させていきたいと思っています。
田口:危機的な状況に対し、箕輪先生をはじめ医師会の先生方の迅速な対応があったのですね。そして神栖済生会病院や大学病院などの先生方には、本当に感謝申し上げます。
一般的に子どもは、夕方から夜間にかけ急な発熱などの症状が出やすく、親御さんも不安になることが多いかと思います。しかし、その時間は多くの医療機関の診療が終了してしまうことから、この診療所の存在は大変心強いものと自負しています。実際、保護者向けに実施したアンケートでも、市に力を入れてほしい子育て支援事業に関する項目で、『救急医療をはじめとする医療体制の整備』を要望する方の割合が6割以上となっています。医療体制の整備は、私の重点施策の一つであります。少子化が進行する中ではありますが、鹿嶋で子育てをする上で、夜間小児救急診療所は、必要不可欠な存在です。引き続き、先生方をはじめ、関係者の皆さんにはご協力をお願いします。

■鹿嶋市夜間小児救急診療所
日時:毎日20:00~23:00(22:45受付終了)
場所:教育センター建物内(宮中1998番地2)
対象:中学生以下の方
内容:急な発熱などに対する応急診療(検査や本格的な治療が必要な場合は近隣総合病院と連携して対応)
持参するもの:健康保険証、マル福受給証、お薬手帳(お持ちの方)
【電話】82-3817

利用状況・住所別利用割合 単位:人

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