県では、県民の皆さんが納めた税金がどのように使われているかをお知らせするため、予算や決算の状況を毎年公表しています。今回は、令和5年度の決算や県の財政状況の概要をご紹介します。
■令和5年度決算(一般会計)
▽収入
▽支出
収入と支出の差額149億円のうち138億円は令和6年度に繰り越すため、11億円の黒字となりました。
▽昨年度と比べると…
収入:537億円(6.4%)の減少
・新型コロナウイルス感染症関連の国庫支出金などが減少
支出:538億円(6.5%)の減少
・新型コロナウイルス感染症や物価高騰対策費などが減少
■本県の財政状況の概要
◇収入の特徴
全国的な経済の持ち直しなどから、県税収入は高い水準で推移している一方、実質的地方交付税等は減少しています。
◇支出の特徴
少子化対策、介護保険、国民健康保険、高齢者医療などに要する社会保障関係経費は年々増加しています。
◇財源調整のための基金残高の推移
基金(県の貯金)の残高は、実質的地方交付税等の減少や社会保障関係経費の増加に伴い、ピーク時(平成14年度の601億円)から大きく減少していますが、令和5年度は堅調な県税収入などにより、基金の取り崩しに頼らない財政運営を達成できました。
■「健全化判断比率」などで見る本県の財政状況
全国の自治体は、財政の健全度を示す4つの指標を公表することとなっており、これらを「健全化判断比率」といいます。本県の各指標は、いずれも健全な数値であり、全国的にも中位に位置しています。
ただし、県税収入の割合が低いことなどから、県が独自に使えるお金は少ない状態が続いています。
◇健全化判断比率の4つの指標は良好
※早期健全化基準:この数値を超えると財政健全化の取り組みが必要
◇県が独自に使えるお金は少ない
(全国順位は、令和4年度決算における順位)
■令和5年度の主な取り組み
◇子どもが夢や希望を持って健やかに成長できる社会の実現
子どもたちが安心して医療を受けることができるよう、18歳までの子どもを対象とした本県独自の医療費助成制度を市町と連携して創設しました。
◇「長崎県版デジタル社会」の実現
地域が抱える課題をデジタル技術で解決することなどを目的として「ながさきデジタルDEJI-MA産業メッセ2023」を開催しました。
◇みんながチャレンジできる環境づくり
農業・漁業の魅力発信や研修支援による就業希望者の受け入れ推進のほか、今後成長が期待される半導体・情報関連分野の人材確保に取り組みました。
◇物価高騰対策
中小企業の省エネ対策や農林水産業者の飼料高騰対策への支援のほか、マイナンバーカードを活用した県民生活支援(デジタルポイント付与)を行いました。
■今後の方針
県では、新しい長崎県づくりのビジョンや長崎県総合計画に基づき、人材や産業の育成、持続可能な地域づくりなどに取り組んでいます。厳しい財政状況の中、こうした施策をさらに推進するため、引き続き徹底した収支改善に努めるとともに、地方税財源の確保にも力を注いでいきます。
問合せ:県の財政課
【電話】095-895-2172
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