新年明けましておめでとうございます。
県民の皆様には、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は、「新しい長崎県づくりのビジョン」を策定し、重点的に取り組む分野をお示ししながら、様々な取組を進めてまいりました。
こども分野では、子どもは「本県の宝物、未来そのもの」との思いから、出会い・結婚から子育てまでの切れ目ない支援に取り組んできた中、保育人材の確保対策として、園内研修に取り組む施設に対して保育士等の処遇改善を支援する県独自の制度の創設を実現することができました。
イノベーション分野では、かねてよりドローンを活用した課題解決に向け、国の規制改革を訴えてきた結果、全国で初めて「新技術実装連携〝絆〞特区」の指定を受けることができました。
一方、昨年は多くの交流が生まれた年でもありました。全国高等学校総合体育大会や日本スポーツマスターズ2024長崎大会を県内各地で開催したことで、期間中に全国からたくさんの方々に来県いただきました。また、運休していた長崎〜ソウル間の国際定期航空路線についても、航空会社等に対するトップセールスに取り組んできた結果、昨年10月から5年7か月ぶりの運航再開を果たすことができました。
さらに、「長崎スタジアムシティ」の開業により、多くの交流が生まれていることに加え、良質な雇用の場の創出など、本県経済の活性化にも大きな効果がもたらされました。
この他にも、パリオリンピック柔道男子81kg級における永瀬貴規選手の史上初となる2連覇、3大会連続でのメダル獲得や、長年、被爆体験の継承と核兵器廃絶に取り組んでこられた日本原水爆被害者団体協議会のノーベル平和賞受賞、本県では5年ぶりとなる上場企業の誕生や企業誘致の推進など、本県にとって実りの多い一年でもありました。
本年は、総合計画が最終年度を迎えることから、計画の総仕上げとして、積極的かつ着実に事業を推進してまいります。また、本県の優位性等を最大限に活かしながら、県民の皆様が、本県への誇りや未来への期待感を抱くことができるよう、「未来大国」の実現に向け、様々な関係者と一緒に施策展開を図ってまいりたいと考えております。
こどもが夢や希望を持って健やかに成長できる社会の実現に向けて、民間と連携して、子どもが主役の安全・安心でチャレンジできる「こども場所」の充実を図るほか、共家事・共育ての促進等による「こども時間」の確保や、子どもの声を聴く仕組みづくりなどに取り組んでまいります。
次に、交流人口や関係人口の拡大に向けては、マニアの聖地化を目指し、アニメツーリズムの促進や、県内のインフラ施設の観光資源としての活用を図るほか、受入環境の整備等によるデジタルノマドの誘致に取り組んでまいります。
また、新しいテクノロジーの活用やイノベーションの創造のほか、様々なチャレンジができる環境整備・仕組みづくりも進めてまいります。こうした取組を県全体の産業振興に繋げていくことが重要であることから、先進的なドローン活用によるプロジェクトへの支援や、「長崎空港〜新大村駅ルート」における自動運転バスの実証運行などを実施してまいります。
加えて、全ての世代が豊かで安全・安心に暮らせる持続可能な社会の実現に取り組みます。激甚化・頻発化している自然災害から、県民の皆様の生命・財産を守るためのハード・ソフト一体となった防災・減災対策、離島の公立診療所等へのオンライン診療の体制構築を進めるほか、地域経済の活性化や公共交通、地域コミュニティの維持・確保、足元の人手不足や物価高騰等の不確実な社会・経済状況を踏まえた対策についても、スピード感を持って的確に取り組んでまいります。
被爆80年となる本年は、長崎空港開港50年、中華人民共和国駐長崎総領事館開設40年など、様々な節目の年となります。
こうした節目の年において、9月には、全国規模の文化の祭典「ながさきピース文化祭2025(第40回国民文化祭、第25回全国障害者芸術・文化祭)」、10月には、本県で初となる国際サイクルロードレース「ツール・ド・九州」を開催します。引き続き、市町や関係団体と一体となって、開催に向けた準備を進めてまいります。
また、一人でも多くの皆様に「本県を訪れたい」と思っていただけるよう、本県の歴史や文化、離島をはじめとした豊かな自然、そこから生み出された食などの多彩な魅力を、県民の皆様をはじめ、市町や関係団体の皆様と連携しながら磨き上げていくことで、国内外の方にもその魅力が伝わり、多方面の方々から「選ばれる長崎県」となるような県全体のブランディングにも取り組んでまいります。
結びに、本年が皆様にとりまして、輝かしい年となりますよう心からお祈り申し上げます。
長崎県知事 大石 賢吾
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