県内で頑張っている企業や人にエール(応援)を送ります!
■OJIKAPPAN(おぢかっぱん)(小値賀町)
お話を伺ったのは
代表 横山 桃子(よこやまももこ)さん
「OJIKAPPAN」をきっかけに、国内でも数少ない活版印刷と小値賀の魅力を世界に発信していきたい
◇100年の歴史を持つ印刷会社の4代目
実家は小値賀島で100年の歴史を持つ晋弘舎(しんこうしゃ)印刷です。国内でも数少ない活版印刷所で、現在は3代目の父が島内の封筒やハガキ、書類などの印刷を行っています。私は大学でデザインを学んだことをきっかけに活版に興味をもち、東京で就職後、2011年にUターン。2018年にドイツのハイデルベルグ社製の活版印刷機を導入したことを機に「OJIKAPPAN」として独立し、主に島外向けの印刷物の制作や活版印刷体験などを行っています。
◇全国に広がる活版印刷の魅力
活版印刷は一字ずつ鉛の活字を拾って版を組み、凸面にインキをのせて、圧をかけて印刷します。印刷面には指で触れるとわかるくらいの凸凹(でこぼこ)が生まれ、その独特の風合いが魅力です。その魅力は希少性と共にデザイナーやクリエーターを中心に広がり、現在は個人からの名刺やカードの注文のほか、雑貨やお菓子のパッケージ、ホテルのレターセット、ファッションブランドとのコラボ商品、蔵書票など、全国各地からお仕事をいただいています。
◇「活版印刷は文化事業だ」祖父の思いを引き継ぐ
今後力を入れたいのが旅行者向けの活版印刷体験です。手間暇をかけて出来上がる活版印刷と小値賀のゆっくりとした流れは似ています。島での滞在の中で活版印刷を体験してもらい、世界に一つだけの作品ができる喜びと共に、活版印刷と小値賀の両方の魅力を感じてほしいですね。2代目の祖父は「活版印刷は文化事業だ」とよく言っていました。その思いを受け継ぐ意味でも、活版印刷を通して小値賀の文化、魅力を島外に広く発信していきたいと思っています。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>