県では、県民の皆さんが納めた税金がどのように使われているかをお知らせするため、予算や決算の状況を毎年公表しています。今回は、令和4年度の決算や県の財政状況の概要をご紹介します。
■令和4年度決算(一般会計)
▽収入
▽支出
収入と支出の差額148億円のうち135億円は令和5年度に繰り越すため、13億円の黒字となりました。
▽昨年度と比べると…
収入:245億円(2.8%)の減少
・実質的地方交付税や国庫支出金などが減少
支出:151億円(1.8%)の減少
・公共事業費や財政調整基金への積立金などが減少
■本県の財政状況の概要
◇収入の特徴
地方消費税の増加や全国的な経済の持ち直しなどから、県税収入は高い水準で推移している一方、地方交付税等は減少しています。
◇支出の特徴
少子化対策、介護保険、国民健康保険、高齢者医療などに要する社会保障関係経費は年々増加しています。
◇財源調整のための基金残高の推移
県税収入の増加などにより、令和4年度は基金(県の貯金)の取り崩しに頼らない財政運営を達成できたものの、大きな支出に備えて積み立ててきた基金の残高は、ピーク時(平成14年度の601億円)と比べて大きく減少しています。
■「健全化判断比率」などで見る本県の財政状況
全国の自治体は、財政の健全度を示す4つの指標を公表することとなっており、これらを「健全化判断比率」といいます。本県の各指標は、いずれも健全な数値であり、全国的にも中位に位置しています。
ただし、県税収入の割合が低いことなどから、県が独自に使えるお金は少ない状態が続いています。
◇健全化判断比率の4つの指標は良好
※早期健全化基準 この数値を超えると財政健全化の取り組みが必要
◇県が独自に使えるお金は少ない
(全国順位は、令和3年度決算における順位)
■令和4年度の主な取り組み
◇全世代の暮らしを安全・安心で豊かにする取り組み
医療的ケア児やその家族などのさまざまな相談に対応する「長崎県医療的ケア児支援センター」を設置し、支援体制の充実を図りました。
◇チャレンジし成長し続ける取り組み
県内における起業の機運を醸成するため、スタートアップ企業の資金調達を支援するイベントの開催や新規ビジネスの創出支援などに取り組みました。
◇選ばれる長崎県を県民と一緒につくる取り組み
東アジアや東南アジアなどでの県産品フェアの開催や海外販路開拓を目指す農林水産事業者の支援に取り組みました。
◇物価高騰対策
エネルギーや食料品などの物価高騰対策として、農林水産業者や中小企業などの省エネ設備導入などを支援しました。
■今後の方針
県では、エネルギーや食料品などの物価高騰対策に取り組むとともに、「長崎県総合計画チェンジandチャレンジ2025」に基づく人材や産業の育成、持続可能な地域づくりを進めています。厳しい財政状況の中、引き続き徹底した経費の節減と効率的な事業執行に努めるとともに、財源の確保にも力を注いでいきます。
問合せ:県の財政課
【電話】095-895-2172
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