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つたえるけん 佐々町

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長崎県

暮らしやすいまちとして人口が増えつづけている佐々町
未来を生きる子どもたちにふるさとの歴史や民話が語り継がれています

■今月のつたえるひと
朏 由典(みかづきゆうすけ)さん
佐々町出身。中学卒業後、道徳教育を重んじる千葉県の麗澤(れいたく)高校へ進学。大阪で3年働いて帰郷し、1977年家業のみかづき商店を継承。佐々町教育委員、文化財審議委員などを歴任後、現在は郷土史家として多方面で活動中。

■炭鉱や干拓、伝育坊の民話まで佐々のさまざまな歴史を伝えたい
県北はかつて炭鉱で栄えた地域が多く、佐々町もその一つです。私の先祖は四国の松山出身で、曾祖父が石炭の買い付けで佐々に住み始めたのが朏(みかづき)家の始まりです。長年商売をしていたこともあり、家には古い物がたくさん残っていて、歴史好きの人が多く出入りしていました。その頃から私も歴史が好きになり、佐々町郷土誌の執筆や平戸街道ネットワークの会の活動をきっかけに佐々の歴史を本格的に調べるようになりました。現在は、町内の小・中学校、高校のほか、各種講座やテレビ番組などで、佐々の歴史や文化財、伝統などを後世に伝える活動を行っています。
佐々は元々見渡す限り海だったのですが、室町時代から江戸時代にかけて大規模な干拓が行われ、水田に変わりました。水田を支えたのは佐々川の水です。水田ができると人が増え、半農半漁の町から農村になりました。一時期は陶磁器の生産も行われており、愛知県の有名な瀬戸焼きの陶工が、瀬戸焼きを復興させるために佐々の皿山に入り、磁器の製法を習得したという歴史もあります。また、平戸松浦氏にとって佐々は防衛の要で、戦の際には現在の東光寺に本陣(戦闘指揮所)が置かれていました。戦で活躍したとされる、目は三角で全身毛むくじゃらの大男「伝育坊」の民話はまちおこしにも活用されています。東光寺の下の道は平戸街道の一部で、当時のたたずまいが感じられます。きれいな石垣があるので、佐々を訪れた人にはぜひ見ていただきたいですね。
佐々町は自然豊かな町であると同時に、交通アクセスも良く、買い物も便利で利便性も兼ね備えた町です。歴史を知るとさらに景色が違って見えてきます。今後もさまざまな活動を通して、佐々の魅力を発信していきます。

▽東光寺(とうこうじ)
室町時代、土佐の松蔭禅師が裏山の虎頭岩(ことういわ)を見て、この地を絶勝の地とし、日夜座禅をしたことが始まりとされています。佐々の民話に残る「伝育坊(でんいくぼう)」が使ったとされる武器も保存されています。

▽平戸街道(平戸往還)
江戸時代に整備された田平から彼杵までの約60kmの街道。平戸藩の殿様が参勤交代の折に歩いたことから、地元では「とんさんみち」とも呼ばれています。

▽皿山公園
県北一の花菖蒲園のほか、季節ごとに美しい花々に彩られる公園。公園内には、登り窯が再現され、陶芸体験もできるほか、佐々皿山直売所や51m級のロング滑り台、アスレチック施設も整備されています。

▽狸山支石墓群(たぬきやましせきぼぐん)
板石の支石を並べてその上に巨石を載せた構造を持つ縄文時代晩期の墳墓で、現在7基が確認されています。(県指定史跡)

▽三柱(みはしら)神社
祭神はスサノオノミコト、オオナムチノミコト、イナダヒメノミコトの三柱で、古い絵馬や80枚にもわたる天井絵のほか、1688年築の佐々町で一番古い鳥居などが残っています。

▽佐々川
県下第2位の長流であり、アユやウナギ、カブトガニなどの水産生物も生息する清流。2月下旬から3月上旬までシロウオ漁が行われ、河川沿いに咲き誇る約260本の河津桜との美しい風景が楽しめます。

■かつて殿様一行が通った平戸街道を歩こう
平戸街道ネットワークの会では、毎月第4日曜に平戸街道を歩くイベントを開催しています。1月は田平~江迎(11km)、2月は江迎~佐々(12km)を歩きます。
日時:1月28日(日)、2月25日(日)
※天候等により変更の場合あり
※集合場所・時間については要問合せ
参加費:300円(保険代含む)

問合せ:平戸街道ネットワークの会事務局
【電話】090-4722-8892(大宅)

■佐々町教育委員会特別講座 さざ歴史再発見
佐々町の歴史を学ぶ講座が開催されます。町外の方も受講可能です。
第1回:1月13日(土)肥前陶磁器と市の瀬皿山(吉丸皿山)
第2回:1月20日(土)市の瀬皿山と加藤民吉
第3回:2月3日(土)肥前の鳥居
※時間はいずれも10時~12時
講師:第1・2回は朏由典氏、第3回は佐世保地区連合史跡保存会会長・久村貞男氏
場所:佐々町地域交流センター(佐々町本田原免)

申込・問合せ:佐々町公民館
【電話】0956-62-6294

■佐々町のお土産
▽サザノコの雑貨
佐々川柄の手ぬぐいや佐々の春をモチーフにしたフレークシール、もろぶた寿司柄のリングノートなど、佐々の文化・歴史・風景がかわいい絵柄で表現されています。

問合せ:佐々町柄雑貨屋サザノコ
【電話】090-8365-6467

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