令和6年 新年知事あいさつ

1／15

新年明けましておめでとうございます。
県民の皆様には、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年を振り返ってみますと、新型コロナウイルス感染症の法律上の位置付けが変更され、社会経済活動の正常化に伴い、様々な交流が促進された年でありました。
9月に開業1周年を迎えた西九州新幹線は、多くの方にご利用いただくとともに、駅周辺の再開発など沿線市のまちの佇まいも大きく変わり、県内に新たな賑わいをもたらしております。
また、「長崎ヴェルカ」が見事にB1昇格を達成され、多くのブースターの皆様にも県内外から応援にお越しいただいております。
さらに、海外との交流におきましても、5月のG7長崎保健大臣会合以降、国内外における本県の知名度が向上する中、私も8月にベトナムを訪問し、本県への人材支援を一層進めることを確認するなど、各国・地域との協力関係を強化することができました。今後とも、本県との交流がある国々の政府要人や経済界の方々と意見交換を行い、交流促進に取り組んでまいります。

県では、県民の皆様が本県に誇りや未来への期待感を持ち、本県が国内外に存在感を示していけるよう、「未来大国」をコンセプトとするビジョンの策定を進めております。ビジョンにおいては、重点的に取り組む分野ごとに、概ね年後のありたい姿と、その実現に向けた施策の方向性などをお示しすることとしており、県民の皆様と一緒に、選ばれる「新しい長崎県」を目指してまいりたいと考えております。
そのため本年は、ビジョン実現に向けた部局横断・融合的な取組を強力に推進するとともに、様々な立場の方々に共感をいただきながら、県政にも積極的にご参画していただいたうえで、各分野の施策の有機的な連携を図り、相乗効果を発揮させてまいりたいと考えております。
こうした基本的な考え方に基づき、重点的取組の旗印として、まず以下の分野において、従来の事業の枠を超えて複数の部局が連携・融合して1つの事業を構築し、市町や民間等と一緒になってありたい姿の実現に取り組む、新たな施策展開を図ってまいります。
「こども」分野において、子どもたちがあったらいいなと思う、子どもが主役の居場所づくりの実現に向け、本年は地域や関係団体など多様な主体が連携し、分野横断的に取り組むための推進体制を構築してまいります。
次に「交流」分野においては、本県がアニメや小説、お酒や釣りなど、様々な分野における「聖地」として国内外から多くの観光客に訪れていただくことを目指し、本年は多様な分野におけるマニア向けの情報発信や受入環境の整備を関係部局が一体となって取り組む体制を構築してまいります。
「イノベーション」分野については、本県が全国を代表するドローン活用の先進地となることを目指し、本年は第一歩として、各産業におけるドローン活用フィールドの創出とオペレーターの育成を図るためのプラットフォームの設立等に力を注いでまいります。
「食」の分野においては、県内外の方々の長崎の食への期待値や満足感の向上につなげていくため、本年はまず、市町や民間団体等と連携して、長崎のおいしい食を買える・味わえる場所の創出に力を注いでまいります。
これらの事業に先行して取り組み、検証を行いながら、事業を進化させるとともに、今後、連携する分野のさらなる拡大にもつなげてまいりたいと考えております。
また、「新しい長崎県づくり」を推進していくためには、ビジョン実現に向けた各分野の施策を共通の視点で下支えする取組が重要であると認識しております。そのため、今年度設置した秘書・広報戦略部を中心として、本県の総体的なイメージ向上につながるブランディングや情報発信に取り組んでまいります。

今後、県内では大きなイベントも予定されています。本年7月、全国高等学校総合体育大会が本県を含めた北部九州4県で開催され、9月には、国内唯一のシニア世代の総合スポーツ大会「日本スポーツマスターズ2024長崎大会」が県内市町を会場に開催される予定です。
さらに、来年9月には、「ながさきピース文化祭2025」(第回国民文化祭、第回全国障害者芸術・文化祭)が本県で開催されます。今後一層の機運醸成と情報発信に努め、市町や関係団体と一体となって、開催に向けた準備を進めてまいります。

社会全体のデジタル化など、時代は目まぐるしく変化しております。私は、こうした変革の機会をチャンスと捉えており、何事にも積極的に挑戦していくことが重要と考えております。
また、昨今、山積する課題が注目を集める傾向にありますが、本県の持つ多くの可能性に目を向けることも重要です。
ビジョンに示す「未来大国」のコンセプトは、明るい未来に向け県民の皆様と一緒になって進んでいこうという思いを込めています。ぜひ、一緒に未来に向けて踏み出していきましょう。

結びに、本年が皆様にとりまして、輝かしい年となりますよう心からお祈り申し上げます。

長崎県知事　大石　賢吾