かつて地元で「荘園(しょうえん)」と呼ばれていた歴史ある地に立つ道の駅には
今日も元気があふれています
■今月のつたえるひと
岡﨑省三(おかざきしょうぞう)さん
東彼杵郡川棚町出身。高校卒業後、大阪の飲食店で働き、30歳の時にUターン。東彼杵町で焼き鳥屋の経営を経て、2002年に「道の駅 彼杵(そのぎ)の荘(しょう)」を開業。株式会社彼杵の荘の代表取締役。
■町の魅力を発信し、人にも産業にも元気を与える
22年前、東彼杵町に道の駅ができることになり、施設の運営者を町が募集しました。全国的に道の駅が話題になっていた頃で、これが成功すれば必ず東彼杵町の活性化につながると思い、一大決心をして、自分がやりたいことを提案書にまとめ、応募しました。2002年7月のオープン以来、運営は順調で、現在は年間約80万人が道の駅に来場し、そのうち約半数が物産館や食事処を利用しています。
一番人気の商品「茶ちゃ焼」は、東彼杵町の名産であるそのぎ茶を使って何かできないかと開発したもので、茶葉の形をした生地の中にそのぎ茶を使った餡が入っている、回転焼き風のお菓子です。焼き型は特注で製造し、餡は何十回も試行錯誤を重ねて完成しました。その苦労のかいがあって、開店以来ずっと好評で、昨年からは地元のサツマイモを使った餡を入れた茶ちゃ焼も販売しています。
食事処では、可能な限り地元の野菜を使用しているほか、東彼杵町の捕鯨の歴史をメニューに生かそうと、クジラが入った炊き込みご飯やだご汁などを提供しています。
また、地域貢献の取り組みとして、地元の小学生を対象に、農業やSDGsに関する講話を行っているほか、畑の肥料として使用する竹パウダーづくりや竹パウダーを使って栽培した野菜の販売なども行っています。今年の夏には、地元の農水産品の加工施設を敷地内にオープン予定です。
私が道の駅を運営していて一番うれしいのは、野菜や漬物などを納入してくれる地元の方が「ここに来るといろんな人に会えて楽しい、生きがいになっている」と言ってくださることです。これからも納入業者の方や従業員、お客様への思いを大切にしながら頑張っていきます。
▽千綿(ちわた)駅
国道34号線沿いにあり、木造のレトロな駅舎と、大村湾のすぐそばにあるホームのロケーションが人気で、2014年には「青春18きっぷ」のポスターにも登場しました。
▽彼杵の古墳(ひさご塚古墳)
道の駅に隣接した歴史公園にある県内最大級の前方後円墳で、形が「ひさご(ひょうたん)」に似ているのが名前の由来です。5世紀前半に彼杵地方に君臨した権力者の墓と推定され、併設する歴史民俗資料館には副葬品などが展示されています。
▽龍頭泉(りゅうとうせん)
千綿川の清流に沿って48の滝と淵が連なる渓谷。その美しさを江戸時代の儒学者・広瀬淡窓が「まるで巨大な龍が横たわっているかのようだ」と評したことから、龍頭泉と名付けられました。
▽日本二十六聖人乗船場跡
豊臣秀吉の禁教政策により長崎で処刑されることになった日本二十六聖人は、処刑される前日の1597年2月4日、彼杵の海岸から舟で時津へと渡りました。海岸には記念碑が建てられ、現在も国内外から巡礼者が訪れています。
▽道の駅 彼杵の荘
2022年にトイレがリニューアルされ、休憩所兼観光案内所、ベビーコーナーが新設されました。物産館では日本一に輝いたそのぎ茶をはじめ、クジラなどの地元の逸品、新鮮な野菜・果物・魚や弁当、菓子などさまざまな商品を販売しています。
■大村湾に広がる大輪の花火 東彼杵 納涼花火大会
夜の海を色とりどりの光が照らす、毎年恒例の花火大会。夕方からステージイベントなども開催されます。
日時:8月16日(金)20時30分~
会場:彼杵新港埋立地
※専用駐車場をご利用ください。
問合せ:東彼商工会東彼杵支所
【電話】0957-46-1700
■ユニバーサルデザインが人気 東彼杵みんなのクジラパーク
2023年3月に河川公園やすらぎの里にオープンした「東彼杵みんなのクジラパーク」は、障害の有無や年齢を問わず、誰でも利用できるインクルーシブ(分け隔てない)遊具を設けた広場です。6月にはアジサイがきれいに咲き誇っています。
問合せ:東彼杵町税財政課
【電話】0957-46-1205
■東彼杵町のお土産
▽ミドリブの花束
「ミドリブ」は千綿駅の駅舎内にある、地元の女性3名で営む花屋さん。生花のブーケやドライフラワーを販売しています。
問合せ:ミドリブアトリエショップ
【E-mail】midoribu3@gmail.com
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