県内で頑張っている企業や人にエール(応援)を送ります!
■株式会社 平山旅館(壱岐市)
お話を伺ったのは
女将 平山真希子(ひらやままきこ)さん
温泉も食材も一切無駄にしない、循環型SDGsを実践するおもてなし旅館
◇源泉かけ流し温泉と食が自慢の老舗旅館
壱岐の湯本(ゆのもと)温泉は、13の源泉がある美しい港町にあります。かつて神功(じんぐう)皇后が応神(おうじん)天皇を生んだ時の産湯に使われたという古い言い伝えがあり、“子宝の湯”としても知られています。平山旅館は、その古湯を引き継ぎ昭和30年に開業しました。現在は県内外から多くの観光客が宿泊に訪れています。私は千葉から嫁いできましたが、壱岐のように食材の豊かな島は他にないと思っています。
◇食材のほとんどを自分たちの手で調達
宿の一番の特徴は、温泉や料理など、あらゆる面で循環型社会の実現を目指していることです。自家農園で育てた無農薬野菜や梅、卵や魚介など、食材のほとんどを自分たちの手で調達し、使い切れない魚や野菜は干物や漬物などに、梅の実は梅干しや梅酒などに加工しています。食べ残しなどは乾燥して畑の肥料にするほか、馬や150羽の鶏のエサにし、無駄なく循環させています。
◇SDGsの取り組みを島の魅力につなげる
採れたての野菜や卵、自家製の干物などは朝食で提供しており、お客さまの反響も良く、宿の大きな魅力になっています。また、源泉の熱を利用する手作りの装置を使って、69度の源泉の熱で水道水を温め、皿洗いや大浴場のシャワーなどに利用しています。源泉かけ流しもセンサーで管理し、必要以上に流さないよう大切に使っています。今後は、SDGsの取り組みを島全体に広げ、新たな壱岐の魅力につなげていきたいと思っています。
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