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市長コラム 結集のススメ

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長崎県五島市

■山本二三先生を偲(しの)ぶ
山本二三先生が逝った。70歳でした。中学生まで野々切で暮らし、鬼岳の麓や大浜の海岸でよく遊んだと話されていました。私も同じ世代で鬼岳を見ながら過ごし、原体験が似ていることもあり、話が尽きることはありませんでした。
子どもが大好きで、福江保健センターや旧五輪教会堂周辺で開催した美術教室で、子どもたちに接する時の笑顔が今でも忘れられません。
今年の2月、半泊で五島つばき蒸溜所が製造している「GOTOGIN」に、山本先生の描いた「二三雲」をラベルにした新商品をマスコミに発表した時、テレビ会議でお会いし、話したのが最後になりました。函館で山本先生の美術展を開催する話が出たので、五島市とゆかりのある「五島軒」を紹介したところ、喜んでいただきました。
ご遺族によると、体調を崩された後も、病気のことは公表せず、お亡くなりになる直前まで創作活動を続けていたそうです。山本先生らしいなと思いました。富江の民話「勘次ケ城」の漫画を描き続け、最終ページの途中まで進んでいたとのことで、ご遺族には、何とか完成させて山本先生の遺作として発表していただきたいとお願いしました。
告別式はご自宅のある埼玉県飯能市で執り行われました。祭壇の後ろには五島百景「高浜と頓泊」の拡大版が飾られ、前には「二三雲」のラベルの貼った「GOTOGIN」のボトル。最後の最後まで五島人でした。
会場に入りきれない参列者のために、屋外にテントが張られ、多くの方に見送られ旅立たれました。
平成25年の4月から6月にかけて、長崎県立美術館で山本先生の企画展が開催されました。期間中67,296人が訪れ、入場者数は、当時、美術館の開館以来ベスト3に入るほどの盛況でした。
福江武家屋敷通りに「山本二三美術館」を開館し、今年7月で5周年を迎えました。「スタジオ・ジブリ」で美術監督を務めた「天空の城ラピュタ」、「もののけ姫」の作品や五島百景など、魅力ある作品を展示しています。山本先生を偲び、足を運んでいただければ幸いです。
告別式には、公務の合間を縫って、大石知事もお見えになりました。ありがとうございました。

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