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私が選ぶとっておきの一冊ーRecommended Bookー

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長崎県五島市

■五島市に暮らすさまざま人にオススメ本を聞いていく新コーナー
私が選ぶとっておきの一冊ーRecommended Bookー
▼1冊目
本処てるてる 店主 橋本美幸(はしもとみゆき)さん
市役所の近くにこじんまりと佇む古本屋「本処てるてる」の店主。五島市出身で、学生時代は帰り道で本屋に寄ったり、図書館に入り浸ることが日課だったそうです。長崎市で保育士として働いていた頃、帰省する度に馴染みの本屋が閉店していくことに寂しさを感じていました。そんな時、通っていた本屋の店主から「本が好きなら本屋やってみればいいじゃん」という言葉。それがきっかけで「本屋を五島に作ろう」と決心しました。五島にUターンし、会社員として働きながら開業に向けて本を集めたり、知り合いの飲食店などで出張図書館を開いたりしていました。
そして2018年12月、念願の古本屋をオープン。「学校帰りに寄ってほしい」と、主に平日の夜や土日の昼から夜にかけて営業しています。「お客さんから『この本屋があって良かった』と言ってもらえることが一番嬉しい」と話す橋本さん。大好きな本に囲まれて暮らす若手店主です。

▼橋本さんのとっておきの一冊
この本との出会いは市立図書館からの注文を受けた時。興味本位で読んでみると面白くて面白くて。ほんの半世紀前にこんな暮らしがあったんだと、とても驚きました。五島に暮らすすべての方に読んでほしいです。

○古老に聞いた島の暮らし
歌野杳/著(南方新社)
いつか忘れてしまうかもしれない島の暮らしを書き留めたい。著者の歌野さんは、竹カゴ作りを習いに小値賀町大島に住む徳蔵さんのもとを訪ねる。けれども夢中になったのは竹仕事の合間に語られる徳蔵さんの昔話だった。石臼を挽き、麦を蒔き、畳を打つ。暮らしのすべてが手作りだった。読みながら土を耕し生きてきた祖父母の分厚い手を思い出した。そんな暮らしのプロである徳蔵さんが「誰もひとりじゃなんもできんとよ」と言う。島では助け合わなければ生きていけなかったからだ。便利な今、この感覚も風土にあった島の風景も失われつつある。島の人生の先輩たちはたくましい。その理由がこの本を読んでわかった気がする。

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