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市長コラム 結集のススメ

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長崎県五島市

■新図書館オープン
4月1日、新しい図書館がオープンしました。開館を心待ちにしていた市民の皆さまから、数多くの感謝の言葉をいただきました。
14年前の平成21年8月に「市図書館の早期整備を望む会」から、陳情書が提出されました。9月の市議会において、「願意に沿うよう努力されたい」と結審され、五島市は新図書館の検討を始めることになります。
翌年の平成22年3月市議会に、検討委員会の経費や基本設計の委託料を含む当初予算を提案し認められました。翌23年度の当初予算では実施設計も認められ、建設に向けて準備が進められました。
実施設計を完了した市は、平成24年3月市議会に、新図書館建設事業を盛り込んだ当初予算を提案しました。これに対し、「図書館建設を考える会」から「13億円の図書館建設計画は撤回し身の丈にあった規模とすることを求める請願」が、1万208人の署名(追加の署名を含めると1万7,081人)を添えて提出されました。
請願の趣旨は、「人口減少が続き、市民の暮らしが厳しい中で、豪華な図書館が必要か?維持管理費も2倍以上が見込まれ、財政の見通しをしっかり検討し、身の丈にあった図書館にすべき」というものでした。
市議会では、賛否をめぐって活発な議論が交わされます。結局、中尾市長(当時)が「計画の内容について慎重な検討が必要」と判断し、新図書館の予算を取り下げ決着しました。
この市議会で中尾市長は引退を表明。中尾市長の「慎重な検討が必要との判断」と1万7,081人の署名の重さを、私が引き継ぐことになります。当時、五島市は小中学校の耐震化が遅れており、児童・生徒の安全性を確保するために校舎の整備を急ぐ必要がありました。その後は消防署・出張所の耐震化や防災行政無線の整備。それに加え、ごみ焼却場の整備という大きな事業も待ち構えていました。
このため、新図書館の整備は、市民の皆さまの意見を反映させるため検討委員会を設置するなど、時間をかけて検討することとしました。
しかし、平成28年4月に熊本大地震が発生し、宇土市役所など5市町の庁舎が半壊するなど、防災・災害復旧の役割を担う拠点施設が停止する事態になりました。このことを踏まえ、本市の本庁・支所庁舎の建物診断を実施したところ、老朽化に加え耐震基準を満たしていなかったことから、早急に改修等の対応が必要となり、新図書館は、さらに先送りせざるをえませんでした。

新図書館の整備には、細心の注意を払いながらも、こうした経過があり、市民の皆さまの要望から14年という長い歳月がかかり、大変ご迷惑をおかけしました。
やっと完成した新図書館。市民の皆さまに育てられ愛される図書館になることを願っています。

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