■書道をもっと身近に、その楽しさを届けていきたい
書道家 莉艶(りえん)
「小学1年生の時、姉が習ってて、楽しそうだったから教室に行ってみました。それが書道の始まりです」。そう話すのは、若き書道家として市内で活動している莉艶さん。
岐宿町出身で、市内の高校を卒業後は五島市役所の職員に。国保や税務関係の業務に携わっていました。当時SNSで自身の書をアップしていたところ、それを見た人から看板や命名書の依頼が。しかし書道にしっかりと向き合えていなかったことから、やむなく断っていました。「もったいない、仕事にしたい、そう感じていました」。令和5年3月、一念発起し市役所を退職。書道家としての道が本格的にスタートしました。
受ける仕事は名刺や命名書、表札、ロゴデザイン、書道パフォーマンスなど多岐にわたり、依頼はインスタグラムやオンラインショップで受け付けています。作品はお客さんと自分が納得するまで何回でもやり直すそうで、妥協は一切せず、修正は無制限に行います。最近では「ばらかもん」の影響で変わったお仕事も。「ドラマで主人公が船に船名を書くシーンがあって、それを見た方が『自分の船に書いてほしい』と依頼をくれました。一発勝負なのですごく緊張しましたが、仕上がりを喜んでもらえて嬉しかったです」。お客さんから喜びの声を聞いた時が自分の励みになり、一番やりがいを感じるそうです。
憧れの人は、始めた時から通っている書道教室の的野先生。「基本をしっかり理解された上で個性を出しているので、崩して書いても様になります。私も見習って基本を大事にしていきたいです」。今も教室に通い、憧れの先生から学び続けています。
将来は体験教室を開きたいと話す莉艶さん。「書道はまだまだ固いイメージがあるので、もっと気軽に行ける教室ができないかなと思っています。世代問わず書道の楽しさをたくさんの人に届けたいです」。天真爛漫な笑顔で話す姿と、真剣に書と向き合う姿が魅力の書道家です。
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