■五島市に暮らすいろんな人のオススメ本を紹介するコーナー
私が選ぶとっておきの一冊ーRecommended Bookー
▼13冊目
花笑み きくや 陣内美香子(じんないみかこ)さん
長崎県長崎市出身で、両親が岐宿町出身のため、幼い頃は夏休みや冬休みのたびに岐宿にある祖父母の家に遊びに行っていました。祖父が体調を崩したことをきっかけに、両親が岐宿に移住。祖父の代には海の家をしていた今の店舗で母がお好み焼き屋を開業していました。高齢を理由に母が店をたたみ、空き家になっていたのを私たち夫婦で改修し、2021年4月に花笑みきくやをオープンしました。
地元の人の憩いの場にしたい、という思いからお店では岐宿の郷土料理である「ぞろ」を提供しています。「懐かしい」や「昔作ったよ」と地元の方からの声を聞くたびに嬉しくなります。最近は観光客の方にもたくさん足を運んでいただいております。こうしてお店を続けられているのは応援、そして支えてくださっている方々のおかげです。感謝の気持ちを忘れずにお店を続けていきます。
○陣内さんのとっておき
自分のルーツでもある岐宿の昔から伝わる習慣やいろんな文化をもっと知りたいと思っていた時にこの本に出会えました。歴史や文化はもちろん、昔の人々の暮らしや習慣などが細かく紹介されており、今と昔の岐宿を比較しながら楽しく読むことができます。
○本涯の故郷
柳田煌海/著(東京図書出版)
昭和前期の五島列島岐宿の民族図誌「本涯の故郷」は、岐宿町出身の著者が岐宿に暮らした先人たちの営みや時代と共に消えつつある歴史と文化などを後世に残したいとの思いから、5年の歳月をかけて一冊にまとめた大作です。
地名の由来、遺跡・史跡、民話や伝説から衣食住、気質や習慣、伝統行事など13章にわたり、図解や写真でわかりやすく解説されています。また、食のページでは、郷土料理のレシピまでも紹介されています。
読んでいると、昭和前期の自然と共に豊かな心を持ち、五島の地で純粋に生きた先人たちを近くに感じることができます。岐宿の貴重な歴史書として子どもたちにも読んでほしい一冊です。ぜひ一家に一冊!おすすめします。
こちらの本は市立図書館で借りられます。
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