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健康コラム Health Column

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長崎県南島原市

■血管を守って元気で長生き~生活習慣病を予防しよう~
講師:一般社団法人南高医師会森田十和子先生(医療法人永田内科泌尿器科医院(西有家町))

●メタボリックシンドロームと糖尿病・動脈硬化
「内臓脂肪型肥満」の人の内臓の脂肪細胞は大きく、血管に炎症を起こして血管を固くしたり、血栓を作りやすくする悪玉因子を多く出します。
これらの悪玉因子はもともと体に備わっているインスリン(膵臓から出る血糖を下げるホルモン)を効きにくくし(=インスリン抵抗性)、糖尿病を起こしやすくします。インスリン抵抗性はそれ自体が動脈硬化を起こす原因になります。
メタボリックシンドロームの人は、そうでない人と比べて、2型糖尿病になるリスクは約3倍、心血管疾患(心筋梗塞や狭心症)を起こしたり、それにより死亡するリスクは約3倍になるといわれています。
また非アルコール性脂肪肝、高尿酸血症、腎臓病、睡眠時無呼吸症候群といった病気にもつながります。

●「太ってない(=非肥満)から健康だ」という考えは誤解です
健診を受けた非肥満者の高血糖の割合が、年々増えていることがわかっています。
見た目は太っていないので健康そうに見えますが、心血管リスク因子(高血圧、高血糖、脂質異常症)を1つでも持っていると、インスリン抵抗性が認められることが知られており、肥満者同様に動脈硬化が進行しやすくなります。健診を受けないと異常に気づかないので、定期的に健診を受診し、早期発見に努めましょう。

●生活習慣を改善しましょう
ある研究では、非肥満者および肥満者いずれも、加齢、性別(男性)、20歳時から10kg以上の体重増加、喫煙、歩行速度が遅いこと、食べる速さが速いこと、1日あたりの飲酒量が多いことが、心血管疾患発症率や死亡率を高める要因であることが報告されています。
過食、ストレス、運動不足などの生活習慣の乱れの改善を図りましょう。5~10%の体重減少でも、メタボリックシンドロームに伴う状態(高血圧、高血糖、脂質異常)が改善されたり、糖尿病の発症が予防できますので、ダイエットは有効です。また、喫煙は動脈硬化を進行させ、血管の病気を起こしやすくしますので、禁煙も重要です。

▽健康診断における保健指導の目安
高血糖:
・HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)…5.6%以上
・随時血糖…100mg/dl以上
高血圧:
・収縮期血圧…130mmHg以上
・拡張期血圧…85mmHg以上
高脂血:
・中性脂肪…150mg/dl以上
・LDLコレステロール…120mg/dl以上

●運動で健康貯筋
運動する時間がないと諦める前に、運動を日常生活に取り入れる工夫をしましょう。階段を使う、通勤時に歩く機会を増やすなど、身近に達成できそうな敷居の低い目標を立てることが大切です。厚生労働省は2013年に生活習慣病対策として、「健康づくりのための身体活動基準及び指針(アクティブガイド)」を策定しました。まずはプラス10(今の生活に10分運動時間を加える。歩数で換算すると1,000歩の増加に相当)」から始めてはいかがでしょうか。
高齢者の場合は体力面の個人差が大きいので、非常に軽いレベルから始め、目標が達成できたら自分を褒めましょう。「継続は力なり」で、小さな達成感の積み重ねが運動の習慣化には大切です。

・歩いたり、自転車で移動して+10!
・歩幅を広くして、速く歩いて+10!
・ながらストレッチで+10!

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