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南島原の考古学

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長崎県南島原市

■須玖式(すぐしき)土器~大崎鼻(おおさきばな)遺跡(布津町)~
須玖式土器は、今から約2,100年前、弥生時代中期の北部九州を中心に使われていた土器です。土器の口の部分は、断面「L」字に外へと張り出していて、帽子のつばのようになっています。甕(かめ)形のものは主に煮炊きに使われていたと考えられますが、時には子ども用の棺として使われることもありました。
大崎鼻遺跡では、令和4年度に自転車歩行者専用道路の建設工事に伴って発掘調査が実施され、須玖式土器も多数出土しました。出土した土器をよく観察すると、黒い小さな角閃石という鉱物が粘土に混ざっています。角閃石は雲仙火山の溶岩に含まれることから、これらの土器は北部九州から運ばれてきたものではなく、北部九州と関わりをもつ人物が南島原で製作したものではないかと考えられます。
須玖式土器の時代、北部九州では各地に「クニ」とよばれる地域社会が成立し、そこを治める有力者たちは、積極的に大陸や南の島々とも交流をもちました。有明海は北部九州と外洋とを結ぶ海の玄関口だったのです。南島原の弥生人も積極的に北部九州の人々と交流をもち、もしかしたら外洋への橋渡しの役割も担っていたかもしれません。

■6月~7月の小企画
日時:6月1日(木)~7月31日(月)
※休館日:火曜日 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
場所:深江埋蔵文化財・噴火災害資料館
料金:*団体割引あり
・一般…200円
・高校生…150円
・中学生以下…無料
※企画展は入館料のみでご覧いただけます。

問合せ:文化財課(南有馬庁舎)
【電話】73-6705

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