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南島原の考古学

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長崎県南島原市

■こわれた道具はリペア(修繕)が基本~権現脇(ごんげんわき)遺跡(深江町)~
縄文時代において、生活に使うあらゆる道具は自然素材をもとに作られました。素材が身近に手に入るものはよいのですが、入手が困難なもの、作るのに手間がかかるものは、貴重品として丁寧に扱われたことでしょう。そのなかで土器は毎日の食事を作ったり、食糧を蓄えておく容器として、生活に欠かすことのできない大切な道具のひとつであったに違いありません。
土器作りは、粘土や砂の調達にはじまり、成型、乾燥、焼成と非常に手間と時間のかかるものでした。現在のように金属やプラスチックなどない時代ですから、落としたりして土器が割れてしまうこともあったでしょう。そんな時、縄文人はどうしていたのか?その答えは、リペア(修繕)です。
権現脇遺跡の発掘調査では、よく小さな穴が空いた土器片が出土します。あわせてその穴あけの道具として使われた、石錐(せきすい·いしきり)とよばれる石器も出土します。これらは3千年ほど前のものです。割れてしまった土器でも、穴をあけて紐で破片同士を結び、つなぎ合わせることで、容器としてはまだ十分に使うことが可能となります。そうやって縄文人は土器をリペアしながら大切に使ったと考えられます。きっと土器以外にもいろんな道具を手直したうえで再利用していたのでしょうね。
大量生産・大量消費と使い捨ての文化に慣れきってしまった現代人、時には縄文人の「もったいない」精神にふれてみるのもいいかもしれません。

▽8月~9月の小企画
日時:8月2日(水)~9月30日(土)(※休館日…火曜日)午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
場所:深江埋蔵文化財・噴火災害資料館
料金:
・一般…200円
・高校生…150円
・中学生以下…無料
※団体割引あり
※企画展は入館料のみでご覧いただけます。

問合せ:文化財課(南有馬庁舎)
【電話】73-6705

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