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健康コラム Health Column

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長崎県南島原市

■メタボリックシンドロームに注意しましょう
講師:一般社団法人 南高医師会 寺澤佳洋先生(医療法人弘池会口之津病院(口之津町))

●メタボリックシンドロームとは?
内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさった状態です。
この状態になると、心臓疾患や脳卒中などになりやすく、注意が必要です。


図.メタボリックシンドロームの診断基準

●脂肪細胞とは?
脂肪細胞は、脂肪を多く有する細胞のことですが、身体の中で存在する場所によって3つに分けられます。
(1)皮下脂肪…下腹部・腰まわり・おしりなどの皮膚の下に存在する脂肪のこと。適量であれば、体温維持、エネルギー源やクッションとしての役割がある。
(2)内臓脂肪…胃や腸の周りに存在し、これが増えるとお腹がぽっこりふくらみ、ウエストが増える要因となる。つまりは、メタボシックシンドロームの基準を満たしやすくなる。
(3)異所性脂肪…本来は脂肪細胞が存在しないはずの肝臓、膵臓、筋肉、心臓(血管周囲)などに存在する脂肪のこと。異所性脂肪ができる原因としては、摂取する脂肪が多すぎることや運動不足で、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられないくらいに脂肪細胞が増えた際に生じやすくなる。内臓の機能を低下させる要因にもなり、メタボリックシンドローム、糖尿病(高血糖)や動脈硬化などにつながる。

▽体型のイメージ
・皮下脂肪が多い…洋ナシ型体型
・内臓脂肪が多い…リンゴ型体型

●脂肪細胞の病態生理について
脂肪細胞からは、アディポサイトカインが分泌されます。これには、身体に好ましい働きをする成分と、身体に好ましくない働きする成分があります。脂肪細胞が増え過ぎなければ、身体に好ましいように働くのですが、脂肪細胞が増え過ぎた際は、身体に好ましくない働きが強くなり、動脈硬化などのリスクが高まり注意が必要になります。

《アディポサイトカイン(生理活性物質)》
▽好ましい働きをする成分
・インスリンの働きを良くする
・血管の中で動脈硬化を起こさないようにしてくれる
・血管に炎症を起こさないようにしてくれる
・「お腹いっぱいになったよ」と教えてくれる
・エネルギーになる脂肪を必要に応じて出し入れしてくれる

▽好ましくない働きをする成分
・インスリンの働きを悪くする
・血管に炎症を起こす
・血圧を上げる・細動脈を固くする
・血栓を作る

ぜひ健診に行って、心臓疾患や脳卒中を起こしやすい内臓脂肪や異所性脂肪の過度な蓄積やメタボリックシンドロームがないかを確認してみてください。

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