治療法の進歩により、HIV陽性者は感染の早期把握、治療の早期開始・継続により、エイズの発症を防ぐことができ、HIVに感染していない人と同じ生活を送ることが期待できるようになりました。
また、近年では、HIV治療を受け、検査結果でウイルスが継続的に抑えられていれば、性行為によってHIVが感染することがないことも確認されており、このことは「U(検出できない)=U(感染しない)」と呼ばれています。
■エイズってどんな病気?
エイズはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染し、健康であれば問題にならない弱い病原体にも感染しやすくなり、さまざまな病気を発症した状態をいいます。ただし、HIVに感染してもすぐにエイズを発症するわけではありません。
HIV感染…感染から数週間以内に風邪に似た症状が出ることがある。
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無症候期…数年~10年、自覚症状はほとんどないが、免疫力は徐々に低下する。この間、他人へ感染させてしまう可能性がある。
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エイズ発症…免疫力が著しく低下し、本来なら自分のカで抑えることのできる感染症やがんを発症する。
▽新規HIV感染者およびエイズ感染報告数の年次推移
・報告者数は、近年、減少傾向でしたが令和5年は増加に転じました。
・自分がHIVに感染していることに気づかず、エイズを発症して初めて気づく「いきなりエイズ」が約3割おり、30~50歳代が多い状況です。
参考:厚生労働省エイズ動向委員会
■どうやって感染するの?
▽性行為感染
感染経路の8割以上を占め、異性・同性間に限らず、誰でも感染する可能性があります。
コンドームを正しく確実に使う、出血を伴う性行為や不特定多数との性行為をしないことで予防できます。
▽血液感染
薬物の回し打ちによる注射器具の共用などによって感染します。
▽母子感染
HIVに感染している母親から、妊娠中や出産時、授乳により赤ちゃんへ感染することがあります。治療や予防対策により、感染率を1%以下に抑えることができます。
●こんなことでは感染しません!
握手や軽いキス、咳・くしゃみ、回し飲み、プールやお風呂、トイレの便座など
■HIV検査や治療はどこでできる?
HIV検査は全国のほとんどの保健所で、住所地に関係なく、「無料・匿名」で受けられます。
感染の可能性があった日から3カ月以上経過してから検査を受けましょう。HIV感染初期には、正しい結果が出ない場合があります。
▽HIV検査の流れ(県南保健所の場合)
予約:電話で検査の予約
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検査:問診、採血(8cc)
↓ 約2~4週間後
結果説明・検査後の相談:結果を聞きに行く
※検査時に渡される個人控えが必要
医療機関でも有料(5,000円~10,000円)ですが、受けることができます。
「HIV検査相談マップ」検索
HIV感染後、早期に服薬治療を開始すれば、エイズを発症することはありません。現在は、「1日1回1錠」の服薬で発症を抑えられるようになっています。エイズを完治させる方法は見つかっていませんが、継続服用することで、これまでと同じ生活を送ることができます。
■梅毒の報告者数が増加中
▽梅毒の症状
性器や口の中に小豆から指先くらいのしこりができたり、痛みやかゆみのない発疹が手のひらや体中に広がることがありますが、薬物治療で完治が可能です。
無症状で進行することもあるため、未治療や治療中断しないことが大切です。
長崎県では、令和5年は過去最多の147件の報告があっています。
性別では、男性が多く、20代が4割を占めています。
感染力が強く、キスでもうつる可能性があります。
▽長崎県 梅毒年代別データ(R5年)
▽県南保健所で夜間梅毒検査実施中
毎月第1火曜日午後5時~7時
(最終受付午後6時)
オンライン事前予約が必要です。
■HIV/エイズに関する相談機関は?
(公財)エイズ予防財団…電話相談(土日祝日年末年始を除く)【フリーダイヤル】0120-177-812(携帯電話の場合【電話】03-5259-1815) 午前10時~午後1時、午後2時~5時
県南保健所…電話相談・検査(土日祝日年末年始を除く)【電話】0957623289 午前9時~午後5時45分(相談は随時、検査は要予約)
エイズ予防情報ネット(API-Net)【URL】https://api-net.jfap.or.jp
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