■春一番
2月4日頃の立春から3月21日頃の春分までの間に初めて吹く、南よりの強い風のことを「春一番」と言い、今では気象用語にもなっていますが、この言葉の発祥の地は壱岐と言われています。
元居浦の漁師達は、早春に吹く強い南風のことを「春一番」、「春一」、「カラシ花落とし」と呼んで恐れていました。元居浦は延縄漁を主とし、漁船は4、5人乗りの小型船でした。安政6年2月13日(新暦1859年3月17日)快晴。元居浦のほとんどの漁船が喜三郎曽根と呼ばれる鯛の好漁場に向かって船を出し、着くとすぐに漁を始めました。しかし、開始早々漁師の1人が、南の水平線に黒雲を見つけ「春一だ」と叫びます。それを聞いた他の漁師達はすぐに港へ戻る準備を始めましたが、強烈な南風が吹き荒れ、漁師53人が船もろとも海中に消えていってしまいました。
そのことがあり、海と共生する壱岐の人々に自然の怖さを忘れないようにとの思いを込めて、昭和62年、郷ノ浦港入口の元居公園に船の形をした「春一番の塔」が建てられました。
問合せ:ながさきピース文化祭2025 壱岐市実行委員会事務局(壱岐市教育委員会 社会教育課内)
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