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みんなの健康

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長崎県大村市

◆健康寿命と筋肉の話
ちくばクリニック 院長 竹馬庸裕先生

厚生労働省の調査では、2019年の平均寿命は男性が81・4歳、女性が87・4歳でした。しかし、他の人の助けを借りないで生活できる健康寿命は、男性が72・6歳、女性が75・3歳。つまり、何らかの介護を必要とする期間が、男性では8・8年、女性は12・1年です。平均寿命が延伸しても、この期間はなかなか縮まりません。
大きな要因の一つとして、低栄養によって引き起こされる筋力の低下が挙げられます。筋肉は、30歳ごろから緩やかに減り始め、40〜50歳あたりで落ちるスピードが速くなり、落ち方のペースは1年で1%です。何もしないと30歳から80歳の50年間で太ももの筋肉はほぼ半分になってしまいます。
筋肉量を増やすには、2つのことに留意することが大切です。一つは、筋肉の元となるタンパク質を毎食20g摂取することと、もう一つは、運動(筋肉トレーニング)です。
筋肉の80%はタンパク質から作られます。日本人は、朝昼の食事のたんぱく質の摂取が少なく、夕食時に多く摂取する傾向があります。摂取量が一緒でも、朝昼の摂取が少ないと、筋肉がつきにくいことが分かっています。毎食、20gのたんぱく質を均一に摂取すると、効率的に筋肉が増えます。
運動については、毎日1万歩以上歩いているので大丈夫と考える人もいらっしゃると思います。ウォーキングは心肺機能を高めますが、残念ながら十分に筋肉を鍛えることはできません。最も有効なトレーニングは、筋肉トレーニング(筋トレ)です。さまざまな筋トレがありますが、特にお勧めしたいのが、しゃがみこんで、立ち上がる基本動作を繰り返すスクワットです。スクワットは、多くの筋肉群を総合的に強化できる全身運動に近い運動です。毎日行う必要はなく、週2回で十分です。近年、安全にできるスロースクワットを石井直方先生が提唱されています。ご興味があれば、インターネットでお調べください。
100歳まで動ける体は、今からでも作ることができます。栄養をしっかりとって、ウォーキングと、週2回の筋トレを始めましょう。

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