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【特集】SWITCH!(スイッチ)対馬(1)

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長崎県対馬市

~みんなの力で、対馬の新しい物語を作り出す~

対馬産アイゴを使ったフィッシュカツ。おいしいはもちろん、海の未来など、その先を発信していく商品として期待されている。

地球環境の変化によって、対馬の周りの海は大きな変化が起きています。その変化の多くは、私たちの暮らしにとって好ましくないものです。しかし、そのとらえ方を少し変えることで、未来へとつなぐ、良い変化になるかもしれません。
現在、島内外の人が関わり「海の厄介者」を「海のウマイモノ」に変えようとしている取り組みを紹介します。

■進む海の異変
対馬の沿岸には、かつて海藻が森のように広がり、カジメ、ヒジキなど対馬の食を彩ったり、魚介類の餌や産卵場所としてたくさんの恵みを与えてくれていました。そんな海藻が近年減り始め、平成12年ごろからその変化がはっきりわかるようになってきました。現在では、対馬のほとんどの地域の海で海藻を目にすることができなくなっています。

■海の変化の原因
海の変化には、様々な地球環境の変化が原因に挙げられています。地球温暖化による海水温の変化や海洋汚染、陸からの栄養豊富な水が流れなくなったなどの要因によって、これまで生えていた海藻が育たなくなったこと、また、海藻を食べる生き物の活動が増えたことによる食害も、海の変化に大きな影響を与えています。

■食べられず、捨てられていた魚たち
対馬市では、漁業者を中心とした市民の皆さんと、磯焼け※問題を解決するために様々な取り組みを行っています。その中で、海藻を食べる魚を駆除して数を減らそうという取り組みでは、海藻を食べる「イスズミ」「アイゴ」をたくさん漁獲しました。しかし、独特の磯臭さから、これまで対馬ではほとんど食べられないため、漁獲しても捨てられていました。
※磯焼け:海藻が繁茂し藻場を形成している沿岸・海域で、海藻が著しく減少・消失し、海藻が繁茂しなくなる現象。

■せっかく獲るなら食べてみよう!
海の環境を守るために、漁獲されても捨てられるだけだった魚たちを、美味しく食べることができないかと取り組み始めたのが、水産業に携わる女性の皆さんでした。水産加工や飲食事業を行う犬束ゆかりさんは、5年ほど前から、どうしたら美味しく食べることができるか、取り組み始めました。

■ワクワクする気持ちが原動力に!
海藻が減る原因の一つとされている魚たちが、食べられず捨てられている姿を見た時「もったいない!」と思って取り組み始めましたが、これまで食べていない魚だったこともあり、試行錯誤の連続でした。お客さんに試食してもらい、色々な意見をいただきながら完成させることができました。海をどうにかしたいという気持ちもありましたが、新しいことにチャレンジする時のワクワクした気持ちが、形になった大きな要因かもしれません。

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