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【特集】シリーズ 対馬ぐらしのススメ(2)

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長崎県対馬市

■生き方のヒントを探し、導かれた対馬
大分県出身 川端優花さん
◇縁が導く対馬との出会い
「3年前、友達に誘われて旅行で訪れたのが、はじめての対馬でした。旅行中に訪れた土産屋さんで、ある小さなショップカードに惹かれたんです。そこには「獣害から獣財へ」という言葉が書かれていました。それがdaidaiとの出会いでした。」
環境問題に関心を持っていた川端さんは、学生時代、自分にできることをと、ある選択をします。

「環境問題は日々の生活の積み重ねから生まれます。何気なく口にするお肉も、環境に負荷をかけながら育てられていました。そこで私は、考えるきっかけにと、お肉を食べることを減らしました。同じころ、狩猟体験ツアーに参加し、駆除された動物が、食べられることなく埋められているということを知りました。環境に負荷をかけながら作る肉と、捕獲されても、捨てられるだけのお肉があることにモヤモヤし悩んでいた頃、daidaiに出会い、獣害の現場やお肉づくりを学ぶため、休学してインターンすることを決めたんです。」
「捕獲からお肉づくり、皮の活用まで広く学びました。スタッフの松井さんの丁寧で美しい作業をそばで見たことで、作り手や過程がわかるお肉ってこんなにおいしいんだということを知りました。食べないことが環境にやさしいだけではなかったんです。
対馬は今、イノシシやシカによって山の下草が食べ尽くされていて、畑では大切に育てた野菜をダメにされ悲しんでいる人たちがいます。しかし、増えすぎたシカやイノシシも、地域の資源として、獲ってお肉にしたり、革にしたりすることで、おいしく、楽しく、人の暮らしや環境を守ることにつながるということを学びました。」

◇安心して暮らしていける島
約7か月のインターンを通じ、島の暮らしを体感した川端さんは、daidaiに入社。対馬で社会人と大学生の2足のわらじを履きながらの生活をスタートさせました。(今年3月に卒業)
「今、獣害によって、大好きな対馬の自然や暮らし・文化が、失われつつあります。そのことを寂しく思い、何かしたいと考えた時、対馬で暮らすことを決意しました。自分に何ができるかわからなかったので、まずは自分が失敗を恐れず安心して挑戦できる環境に身をおくことが、私にとって一番よいと思ったんです。
インターン中、たくさんの方と出会い、人の温かさや優しさに触れ、何度も助けられながら過ごした対馬は、安心して飛び込むことができたし、なによりも対馬の暮らしが楽しかったんです。
私は、対馬の獣害の一番の要因は、里山や野生動物と関わる人が減ったことだと思います。「害」を「財」とポジティブな見方に変えて、今以上に関わる人を増やしていくことがとても大切です。
お肉を食べること、レザー製品をつかうこと、作ること。楽しく関われる方法は実はたくさんあります。対馬で暮らす私たち一人一人に合った、心地よい関わり方を見つけるお手伝いをしていきたいです。また、被害に困っている人が一人でも多く減るように捕獲も頑張って、みんなが安心して楽しく暮らし続けられるように守っていきたいです。」

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