■青銅製の鏡
今回は古代の鏡について紹介します。
鏡といえばガラスを材料としたものが頭に浮かぶと思いますが、江戸時代以前は青銅製の鏡が多く製作されていました。日本列島へは弥生時代中期頃(約2,400年前)にもたらされ、ほぼ同時期に製作技術も伝わったとされています。日本列島に残る古代の青銅鏡は、中国から船に乗って渡ってきた中国鏡(舶載鏡(はくさいきょう))とそれをまねた仿製鏡(ぼうせいきょう)の二つに大きく分けられます。
中国鏡は背面に幾何学的な文様や祭祀に使う青銅器と同様の文様、故事(※)を題材とした文様などがあります。仿製鏡は中国鏡をまねてはいますが文様や文字が崩れ、ただの文様の羅列になっていることが多い点でこの2種類は区別されます。
古代の人にとって鏡は姿を映し、太陽の光を反射する神秘的な力を持つことに加え、青銅器自体が貴重なことから、首長層の副葬品として好まれました。対馬では中国鏡の副葬例はありませんが、直径6cm程度の小型仿製鏡が多く副葬されています。
これらの鏡は、博物館や資料館に展示されています。今は錆びていますが鋳造当時の姿を想像しながらご覧ください。
※故事…昔から伝わっている教訓的な側面のあるお話。
「些細なことでもかまいませんので、疑問や質問がありましたらお気軽にお尋ねください。」
問合せ:文化財課
【電話】0920-54-2341【E-mail】k_bunkazai@city-tsushima.jp
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