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わがまち再発見『文化財のみかた』第3回

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長崎県対馬市

■鋭利な石器
約250万年前の人類は、食料・自然資源の確保(殴打・掘削・伐採)を目的に、石を道具として利用し始めました。ほぼ未加工状態であるものの、人の使用痕跡が残るものを礫石器(れきせっき)といいます。
その後、作業効率の向上や、効率的な石器生産のために、長い年月をかけ加工技術が発展していきました。約150万年前頃には握りやすい形とやや鋭利な刃がある握斧(あくふ)(ハンドアックス)、約25万年前頃には石を分割して、その剥片(欠片)を用いた剥片石器(はくへんせっき)が使用されるようになります。約4万年前頃には母石(原石)を成形した石核(せっかく)を規格的に切り出す石刃(せきじん)技法が確立し、多様な用途に合わせ石器が作り出されました。
さらに、約2万年前頃には石刃より小さなカミソリ状の石を木や骨にはめて刃部を形成し、破損した場合は刃を交換するという非常に画期的な細石刃※の技法が誕生しました。
石器の主な原料であるガラス質の石材は、産地が限られるため貴重な資源でした。こうした資源を無駄なく利用するための工夫が、石器の加工技術の発展からうかがい知れます。
現在、対馬では旧石器時代の遺物は発見されていませんが、縄文時代以降の石器が博物館や資料館に展示されていますので観察してみてください。
※同様の石刃と比較すると、約10倍以上の刃部を形成することができる。

「些細なことでもかまいませんので、疑問や質問がありましたらお気軽にお尋ねください。」

問合せ:文化財課
【電話】0920-54-2341
【E-mail】k_bunkazai@city-tsushima.jp

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