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長崎県島原市

■大野原遺跡展示館・縄文の里

今回は島原市有明町の有明総合文化会館の中にある「大野原遺跡展示館・縄文の里」を紹介します。
1996年(平成8年)から約2年間、有明総合文化会館の建設予定地に見つかった大野原遺跡で発掘調査が行われた結果、有明地区では今から約4000~3000年前にあたる縄文時代後期の人たちが暮らしていたことが分かりました。
この発掘調査で、遺跡から土器の材料となる粘土を貯蔵した場所(粘土貯蔵穴)や、地面が赤く焼けた場所(焼土)が多数見つかりました。これらは土器を作った跡です。有明付近の地表にみられる黒土(クロボク土)は土器を作るには適していなかったため、縄文人は川が削ってできた崖から粘土の地層を見つけ出し、大野原まで運んで保管していました。雨が少ない時期になると、粘土貯蔵穴から粘土を取り出し、作業小屋で土器の形に整えたあと、草や泥で窯をつくって土器を焼いていました。これらの土器の材料となっていた粘土の地層は、数万年間にも及ぶ年月をかけて地球がつくった“ジオの恵み”です。
館内には、この遺跡から出土した本物の土器片や石器、土偶、石鋸など、先人たちの生活道具が多数展示されています。これらの出土品を見ると、私たちの先祖は、海にも山にも近いこの地で、時に火山の噴火に対峙しながら、狩りや漁をし、採ってきた木の実を自らが作った土器で煮炊きしながら、生活を営んできたことが想像できます。何千年も昔から島原半島に暮らす人たちは、“ジオの恵み”を利用していたのですね。

問合せ先:島原半島ジオパーク協議会
(【電話】65-5540)

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