◎本市出身の俳優、宮﨑香蓮さんが日常で感じたことを掲載
■夏だけではなくて、秋にもお祭りがあるのってなんだかいいですよね。
今年は仕事で「長崎くんち」へ伺いました。
いえ「伺いました」と書いてみましたが、納品の都合によりこれを書いている今はまだ、おくんちの前なのです。
そもそも長崎くんちは、寛永11年(1634年)に二人の遊女、高尾と音羽の両人が、諏訪神社神前に謡曲「小舞」を奉納したことがはじまりだそうです。そして「おくんち」と呼ぶ由来ですが、旧暦の9月9日を良き日として祝う中国の風習が伝わり、9日をくんちと読み、祭礼日の意味としたとする説が一般的だそうです。すみません、どちらも公式ページにありましたのを引っ張ってきました。9日がなまってくんちだったんですねえ。なんともゆるやかな。
わたしがおくんちをはじめてちゃんと見たのは、実は大人になってから。2017年にNHKの中継で伺いました。諏訪神社の桟敷席で目の前でみる演し物は迫力があり、お祭りってこんなに感動するのかと驚きました。6月1日に「小屋入り」という儀式があり、そこから稽古が始まるんだそうです。何カ月も稽古を重ねて挑むお祭りって、なかなかないのではないでしょうか。
今年の踊町の稽古の事前取材にはもう伺ってきたのですが、4年ぶりの開催ということで踊町の皆さん、気合が入っていて楽しみで仕方がない!という雰囲気でした。「人生かけてるんで」とおっしゃる方もいて、今年も熱いおくんちが見れるんだなぁと今からわくわくしています。
島原での秋のお祭りといえば「不知火まつり」ですね。天草四郎が馬に乗って練り歩くあのパレード。実は記憶にあるのは天草四郎よりも馬!いつも歩く道や、車で通る道を大きな馬がカポッカポッと歩く姿がなんとも不思議で、面白いなぁと思っていたんです。島原図書館のあたりで、見ていたような記憶があるのですが、人がぎゅうぎゅうに集まって、道端に座ったりして。その非日常が楽しいんですよね。
あぁ、だからお祭りってこの時代まで続いているんでしょうか。神様に感謝したり、秋の収穫を祈ったりといろんな意味があるとは思いますが、非日常を味わうことで、日常が頑張れたりしちゃう。必要なことですよね。
そしてその非日常のお祭りは、出る側はもちろん見る人の熱気も含めて非日常の雰囲気を作り出しているんだろうなぁと思います。
4年ぶりのおくんちも、8年ぶりの不知火まつりパレードも日々の皆さんの活力になっていますように!
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