文字サイズ
自治体の皆さまへ

輝く島原人Vol.76 島原に生きる

11/33

長崎県島原市

【努力は、裏切らない】~いちご農家の誇りと挑戦~

「人生の達人」
吉田 修二(よしだ しゅうじ)さん(61)
昭和37年、有明町湯江に生まれる。島原農業高校を卒業後、家業である農業を継ぐ。就農後は特にいちご栽培に注力し、経営規模の拡大や新品種の導入、先進技術を活用したハウス内の環境モニタリング装置等をいち早く導入するなど、生産力向上や省力化に精力的に取り組み、高品質ないちご生産を実践している。10アール当たりの収穫量は県内トップクラスを誇り、いちご生産者のリーダー的存在として生産部会長も歴任した。
JA島原雲仙なんこういちご部会長(H29-R3)、長崎県いちご部会長(R1-R3)、農林水産大臣賞及び長崎県知事賞(ながさき農林業大賞(施設野菜部門))(R4)、黄綬褒章(R5年秋)ほか。
有明町平山在住。

◇先進技術をいち早く導入
「家が農業でしたので、手伝いをしながら親の背中を見て育ち、自然な流れで就農しました。長男ではなかったんですけどね。」と、笑顔で語るのは湯江地区でいちご農家を営む吉田修二さんです。ハウス52アールに『ゆめのか』と『恋みのり』を作付けしています。「11月上旬から6月頃までが収穫期です。最盛期の3月から4月は夜2時からの収穫が毎日続きます。この2か月を乗り切ることが一番大変な時期になりますね。」と、いちご農家の大変さを語ります。
吉田さんは、品質や収穫量、生産効率の向上につながる省力化にも工夫や研究を重ね、ハウスの自動換気や環境モニタリング装置を導入し、スマート農業を実践しています。「ハウス内の温度や湿度、地中温度、CO2濃度、日射量などがスマートフォンでいつでも確認できます。これまで培ってきた「農家の勘」が数値化されることで、栽培技術の裏付けや、さらに必要なことなどが見えてきました。省力化にもつながり、反収(10アール当たりの収穫量)の向上に大きく貢献しています。」その成果は県内トップクラスの反収を誇り、令和3年産『ゆめのか』、令和4年産『恋みのり』で、2年連続の長崎県知事賞を受賞する快挙を成し遂げました。

◇新品種『恋みのり』の普及に尽力
長崎県はいちごの主要産地で、JA島原雲仙なんこういちご部会は県内生産者の3分の1を占めています。吉田さんは、部会長に就任した平成29年から新品種である『恋みのり』の導入に尽力しました。「従来品種の『さちのか』『ゆめのか』が伸び悩んでいました。そこで摘果作業が少なく、大玉でパック詰めも早い『恋みのり』は、大規模農家が多いなんこういちご部会には適していると思い、導入を推進しました。甘さはもちろん、水分量が多くてジューシー、酸味が少なくお子さんや女性にも喜ばれる食味です。今では主力品種として販売額を伸ばし、部会も大いに発展しました。」と、新品種の導入にかけた思いを語ります。
いちご農家としてのやりがいと今後の目標をお聞きすると「数値目標をもって取り組むことですね。達成できればうれしいし、やりがいがある。今後の目標は反収10トンを達成すること。これまで最高で9トンを超えましたが、それを上回る収量を目指したいです。そして昨年の秋には図らずも黄綬褒章の栄に浴することになりました。関係機関のご指導や部会員、家族の協力があってのことだと思っています。島原から、農業の分野でこのような栄誉にあずかることができたことが、後進の希望になればと思っています。若い人には努力を積み重ねていってほしいですね。」と、農業後継者へのエールとともに、いちご生産にかける思いを力強く語っていただきました。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU