◎本市出身の俳優、宮﨑香蓮さんが日常で感じたことを掲載
■まだまだ知らない地元の魅力
先日、NHK「にっぽん百低山」という番組で、普賢岳に登りました。小学6年生ぶりに。
島原に住んでいたときは、あまりに見慣れていて正直なんとも思わなかったのですが、上京し離れたのちに見る普賢岳は違って見えて「すっご!」と思っていました。なんかでかい、なんか近い。長崎空港からの道中で普賢岳が見えてくると、帰ってきたなあという感じがするんです。こんなに迫力があったんだなぁと思いつつ登る機会はありませんでした。
撮影の時期はちょうど雨がひどい週で、なかなか登れませんでした。霧が晴れたと思って、振り返ると次の瞬間にはまた霧に囲まれる。山に関してとても詳しいスタッフさんたちの「雲仙は特別な山だから綺麗に撮りたいんです」という言葉は説得力がありました。そんな皆さんの熱もあり3日待ち、4日目に快晴となりようやく登ることができました。
雲仙の「特別」とはどういう意味なのか。もともと修行山としての歴史が長く、701年に開山した雲仙は比叡山、高野山と並び、天下の三山と称され多くの人たちにとっての信仰の対象だったそうです。「四面宮」として九州の守り神の役割も果たしていました。島原の山という印象が強く、九州の守り神?雲仙が?とちょっと不思議な気持ちも。しかし山頂に登ると、ぐるっと一周九州全部を見渡すことができ、島原の人々だけではなく九州全部の人々にとって象徴的で大切な山だったということがとてもよく分かりました。
山の下からと上からの印象が変わるように、地元の中と外からの印象が変わるように、視点をどこに置くかで世界は大きく変わるということも強く感じました。小学生の頃はただ登るのが楽しかったなという記憶でしたが大人になるとこうも得るものが違うんですね。もうちょっと真面目に知ろうとしていたらな、と思いつつ今のわたしが地元にできることは何だろうと考える日々です。
ニーチェの格言「足下を掘れ、そこに泉あり」という言葉がぐるぐると頭を回っています。
普賢岳の魅力を深く知らなかったように、まだまだ知らない地元の魅力がたくさんあります。魅力を最大化し効果的に発信していくこと。次世代に繋ぐこと。循環させていくこと。もちろんもうやられている方もいらっしゃいますが、私にもそんなことができないかなと考えています。
具体的にはまだ何もありませんが、まずは「掘る」ところからはじめてみようと思います。なんだか今回は本当に「ひとりごと」のようになってしまいました。
撮影時は、満開のミヤマキリシマが見れなかったのだけ残念でしたが、普賢岳最高でした!
皆さんもぜひ登山チャレンジしてみてください。
▽News!「祝 ご成婚!」
宮﨑香蓮さんはこの度入籍を発表されました。末永いお幸せと、更なるご活躍を期待いたします。おめでとうございます!
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