■島原半島にある小さな「富士山」
「一富士二鷹三茄子」は、初夢に見ると縁起がいいとされていることわざで、中でも最も縁起が良いものとされているのが富士山です。「元旦の初日の出を日本最高峰の富士山の山頂で見たい」と一度は考えたことがある人もいらっしゃるかと思います。一般的に、富士山といえば、山梨県と静岡県に跨る富士山を連想しますが、島原半島の口之津町にも、地域の人から親しまれている富士山があることをご存じでしょうか。この富士山の頂上には「富士山神社」と呼ばれる神社があります。
富士山神社は今から1000年以上前の平安時代に創建された神社で、日本最高峰の富士山の山頂にある浅間大社奥宮と同じ、農業の神様であるニニギノミコトと、火と水の神様であるコノハナサクヤヒメが祀られています。なぜ、この山に日本最高峰の富士山と同じ神社が創建されたのでしょうか。それは、山頂から口之津の町が一望できることや、山の形が富士山に似ていたためだといわれています。
これらの富士山はともに玄武岩を噴出する火山ですが、日本最高峰の富士山は活動が約10万年前であるのに対し、口之津の富士山は約150万年前の噴火に由来しています。標高は低くとも、口之津の富士山の方が火山としての長い歴史があります。
口之津町の富士山の標高はわずか180メートルです。この正月は、島原半島の富士山や、その頂上から島原半島を見守り続ける神様に会いに行ってみませんか。
問合せ先:島原半島ジオパーク協議会
【電話】65-5540
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