施政方針 新上五島町長石田信明(2)

3／39

■農業・水産業
農業については、後継者、新規就農希望者、他産業の定年退職者など、多種多様な人々を農業従事者の対象として位置づけ、JA、生産組織、地域、行政などが一体となって掘り起こしを行い、実践や研修活動を通じて、生産者の所得向上、担い手の育成・確保、耕作放棄地の解消に努めていきます。
水産業については、原油価格や資材価格高騰の煽りから燃油や漁具などが相次いで値上げされたことや、漁業者の高齢化や後継者と担い手不足など厳しい状況が続いています。このような中、町では有人国境離島法に基づく輸送コスト支援や、漁船用燃油・漁船保険掛金の助成、漁業共済への加入促進などを通して、漁業経費の軽減と漁業活動の活性化および経営安定化を図り、漁家所得の向上を目指します。

■観光・物産
観光振興については、ウィズコロナ時代を迎え、旅行需要の回復が期待される中、観光WEBサイトの充実やSNSなどを活用した認知度向上に向けた情報発信の強化を図ります。また、旅行業者を招聘し、地域の魅力である自然を活かしたサイクリングや釣りなどの滞在型コンテンツの提案、世界文化遺産、日本遺産などの歴史的建造物の紹介も組み込み、一般旅行、教育旅行の誘致促進、滞在型観光の推進に努めていきます。次に物産振興については、五島手延うどん、かんころ餅などの従来の本町特産品は勿論、令和2年度から実施しており令和6年度まで延長となった一般社団法人離島振興地方創生協会による良質な取引先への販路拡大支援、新商品開発、事業者へのブランド力・生産力向上のための伴走型支援を協働して実施することで、本町における食品産業を持続可能なものに出来るよう取り組んでいきます。

■土木
令和5年度の事業としては、道路改良、道路維持整備、河川・急傾斜地関係整備事業、都市公園、公営住宅関係事業の工事を予定しております。都市公園については、平成28年度から有川運動公園施設長寿命化対策支援事業に取り組んでおりますが、令和5年度はジョギングコースおよび陸上競技場観覧席の改修を予定しており、令和5年度をもって事業完了の予定です。

■消防
令和5年度は、救急車1台、調査広報車1台の更新を予定し町民の皆さま一人一人が安全で安心して暮らせる災害に強い新上五島町の実現に向け、消防防災体制の充実・強化を図っていきます。また、地域における消防防災のリーダーとして、活動を行っている消防団については、処遇改善をはじめ、活動環境の整備、装備の充実を図りながら、団員確保に努め、地域防災力の中核となりながら、各地区自主防災組織などとの連携強化も進めていきます。

■教育
幼小中高校が連携した「ふるさと教育」を一層推進するため、教育振興推進員を配置し、新上五島町独自のふるさと教育の在り方を具現化していきます。また、、ICT機器を活用した特色ある学校教育の実現に向け、ICT支援員を継続して配置するとともに、学びの活性化プロジェクト事業の実施、WEB版の社会科副読本の活用、オンライン学習の充実を図り、教職員の資質・指導力の向上と児童生徒の学力向上に努めていきます。
また、第2次新上五島町教育大綱の「ゆめを持ち、心豊かにたくましく生き抜く力を育成する教育」を目標に「生涯を通じて学び、運動・スポーツにすすんで親しもうとする『人づくり』のために「人、もの(事業)、場所」の充実を図っていきます。

■世界遺産
令和5年度は、世界遺産登録5周年を迎えます。頭ヶ島の歴史や往時の生活を体感できる里道散策や聖歌隊を招聘してのコンサートなど記念イベントを実施し、「頭ヶ島の集落」の更なる魅力発信に努めていきます。