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健康一口メモ 448号

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長崎県波佐見町

◆食後に服用して下さい?‐薬と食事についてのお話‐
・岩永薬局 真木翔平(波佐見町)

私たち薬剤師が患者さんとお話した際によく聞くのが、『食事を摂らなかったから又は食後に飲み忘れたから、薬を飲まなかった』というエピソードです。
薬局で薬をもらう時、「1日3回毎食後に服用して下さい」「1日1回朝食後に服用して下さいね」などと説明されていると思います。
「はい、わかりました」と答えつつ、「朝食摂らないけど、どうしたらいいの?」、「忙しくて食べられない時は?」、「体調が悪くて食欲がない時は?」など様々なケースが考えられます。このような場合どうしたらいいでしょうか。
結論から言うと、食事を摂れない場合でも、通常の食事を摂る時間に薬を服用すれば問題ありません。「医師の指示通りに飲む」事は基本ですが、必ず何か食べてから服用しないといけないわけではありません。重要なのは「食後」より、薬を飲む「間隔」です。間隔を守ることで薬の血中濃度を一定に保たれて薬の効果が持続します。
薬が食後で出されている理由は飲み忘れの防止です。「6時間ごとに服用して下さい」と言われても忘れがちになりますが、食後をきっかけにすれば薬も忘れずに服用できるからです。
ただ、薬の中には食後でないといけないものもあります。例えば、
・解熱鎮痛薬…空腹時に飲むと胃を荒らす恐れがあるため食後が望ましい。
・高脂血症の薬(イコサペント酸、オメガ脂肪酸など)…脂溶性であるため、空腹時に服用すると吸収が悪くなります。
また、起床時や食前・食直前・食間の用法の薬もあります。例えば、
・骨粗鬆症の薬(ミノドロン、リセドロン等)…食物及び他の薬剤と一緒に服用すると、吸収を妨げる事があるため起床時に服用します。
・糖尿病の薬(ミチグリニド等)…食後の血糖上昇を抑制するため、食直前に服用します
その他、抗アレルギー剤(花粉症の薬)や睡眠剤の中にも食後に服用する事で効果が減弱するものがあります。
薬の種類は多岐にわたってあり、上に挙げたものはほんの一例です。その他にも医師の指示で用法が決められている場合もあるため、自己判断は禁物です。
自分の服用している薬が食事の影響を受けるのかを知っておく事は適切な効果を得るという点で重要です。薬の飲み方などで疑問・質問がある時は、薬剤師にお気軽にご相談ください。

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