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長崎県立大学 シーボルト校研究紹介 Vol.32

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長崎県長与町

長与町に立地する長崎県立大学シーボルト校。
すぐ近くの大学でどのような研究が行われているかをシリーズで紹介していきます。

■デジタルメディアコンテンツの研究開発と作品制作
情報システム学部 情報システム学科
青木 研 教授

現代では映画やアニメ、ゲームコンテンツ、VRなど多くのコンテンツがコンピュータを使って制作されています。私の主宰するメディアコンテンツクリエーション研究室では、これらデジタルメディアコンテンツの制作技術の研究開発や作品制作をおこなっています。
それでは現在研究室で取り組んでいるプロジェクトの1つをご紹介しましょう。図1は視野180°立体視グリーンバック撮影の様子(上)と、撮影した立体映像をVR空間で再生しているところ(下)です。この技術によってVR空間に実写の人物が登場するVRドラマの制作が可能になります。また、図2は360°カメラで撮影した動画からフォトグラメトリという技術を使って大学キャンパスの景観の一部を3D再現したものです。360°カメラを持って歩くだけで、そこから見える景観を正確に3次元再現することができます。これらの技術を組み合わせると、実際の景観を正確に再現したVR空間の中で、実写の人物が立体映像でドラマを演じるリアルなVRコンテンツの制作が可能になります。最近注目されているメタバースには地域振興を目的として地域の景観を再現した例などがありますが、このような例では3D景観モデルの作成を手作業でおこなっていることが多く、制作にコストや時間が掛かります。先ほどの技術を使えば低コストでリアルな景観モデルが作成できるので、そこを舞台としたVRドラマを制作して、印象的で効果的な地域プロモーションのメタバースコンテンツを制作できるかもしれません。しかしメタバースのコンテンツはただ作っただけでは十分な効果を発揮しません。マネタイズという収入を得る仕組みを作り出し、持続的にコンテンツを更新していくことも必要になります。物産品の販売や交流人口の増加、コンテンツ産業の創出など地域活性化を図る基盤の創出にも繋がる研究です。

図1:(上)視野180°立体視グリーンバック撮影
(下)VR空間での立体映像の再生
撮影時に右目用と左目用の映像を同時撮影するので、VR空間では立体映像として再生される。
図2:フォトグラメトリによる景観の3D再現
中央階段を歩きながら撮影した360°動画から作成した3D景観モデル。撮影者から見えない部分は欠落している。
(※図は本紙14面に掲載されています。)

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