世間の性的マイノリティへの関心が高まってきましたが、それでもまだ生きづらさを感じている当事者はたくさんいます。誰もがありのままに、自分らしく過ごせる町であるために、多様な性について正しく理解していきましょう。
■性を構成する要素
一人ひとりに個性があるように、性のあり方も多様です。性のあり方には、「身体の性」など大きく分けて4つの要素があります。その組み合わせは多様で、「性はグラデーション」と言われ、様々な性のあり方が形作られています。その人にとっての当たり前を認め合い、尊重し合うことが大切です。
◇身体の性(からだの性)
生物学的な性別のこと。身体の性は医学的に決定されるが、身体的特徴は様々。
◇性的指向(好きになる性)
恋愛感情などがどの性別に向いているかを示すもの。他人に恋愛感情を抱かない人もいます。
◇性自認(こころの性)
自身が認識している性のこと。男女の性だけでなく、決めたくない人、どちらでもないと思う人など様々。
◇性表現(表現する性)
言葉や振る舞い、服装などで表現される性別のこと。性自認と一致しているとは限らない。
■トランスジェンダーと性同一性障害の違い
トランスジェンダーは、身体の性と性自認が一致していない人のことを言います。
一方、性同一性障害は、手術や治療によって、身体の性と性自認を一致させることを望む状態にあることをいい、医療機関の診断名として用いられる医学用語です。
したがって、トランスジェンダーの方全員が性同一性障害の診断や治療を受けている又は希望しているわけではありません。
■LGBTQ+とは
LGBTQ+は、性的マイノリティを表す用語の一つです。
性のあり方は、一人ひとり違うものであり、誰もが自分らしく生きられる社会の実現が重要です。
◇L レズビアン
同性を好きになる女性
◇G ゲイ
同性を好きになる男性
◇B バイセクシュアル
異性も同性も好きになる人
◇T トランスジェンダー
身体の性と性自認が異なる人
◇Q クエスチョニング
性自認や性的指向が明確でない人、限定したくない人
◇+ プラス
・エックスジェンダー
性自認が男性・女性のいずれにも属さない性自認を持つ人
・パンセクシュアル
あらゆる性別の人を恋愛対象とする人
など、他にも様々な人がいます。
■SOGIとは
SOGI(ソジ)は、性的指向と性自認の英語の頭文字をとった言葉です。
LGBTは「人」を示し、SOGIは性的指向、性自認という「属性」を表します。
■知っていますか? 日本の約11人に1人は性的マイノリティです
※電通ダイバーシティ・ラボが2020年12月に全国20~59歳の計60,000人を対象に行った調査によるもの。
◇性的マイノリティの方は、こんな問題に直面し、悩んでいます。
▽職場
・履歴書の性別と外見が異なるため、就職活動で差別されないか不安を感じる。
・結婚、こどもに関する話題が辛い。
・配偶者に対する福利厚生が、同性パートナーは受けられない。
▽学校
・周りの理解を得られず、セクハラや言葉の暴力、いじめに遭いやすい。
・授業中に性的少数者をネタとするような発言があった。
・性自認の性別の更衣室やトイレが使えない。
・性自認と異なる制服を着用するのが辛い。
▽生活
・家族にカミングアウトしたが理解してもらえず、大きな溝が生まれてしまった。
・自身の性自認等について相談できる場所が分からない。
・手続の記入の際に、性別欄の回答に戸惑ってしまう。
・身分証明書の提示で、性表現と法律上の性別が異なっていることが分かってしまう。
・パートナーが他界してしまったが、相続することができなかった。
▽医療
・身体のことについて素直に話しにくい。
・パートナーが入院した際に「家族」として認められず、面会を拒否されてしまった。
◇カミングアウトを受けたら
カミングアウト(自分の性的指向や性自認などを誰かに伝えること)は当事者にとって、とても勇気がいることです。
カミングアウトを受けたときは、自分を信頼してくれたことを受け止め、「困っていることはない?」「他に誰が知っているの?(知っている人と情報共有していい?)」と聞いてみましょう。
◇アウティングや言動に注意!!
アウティング(本人の了解を得ずに、本人の性的指向や性自認をその他の人に伝え、広めてしまうこと)は、重大な人権侵害です。
また、次のような言動をしないように意識しましょう。
・「ホモ」「オネエ」などの言葉を使ってネタにする。
・「ふつうは」と言い、自分の物差しだけで判断する。
・男らしさ、女らしさを押し付ける。
・「彼女できた?」などと異性愛を前提とした話をする。
■人権(LGBTQ+)に関する相談窓口
一人で抱え込まずに相談しましょう!!
◇よりそいホットライン
・セクシュアルマイノリティ専門ライン4番
【電話】0120-279-338(24時間通話無料)
◇法務省相談窓口
・みんなの人権110番(受付時間:平日8時30分~17時15分)
【電話】0570-003-110
・こどもの人権110番(受付時間:平日8時30分~17時15分)
【電話】0120-007-110
・インターネット人権相談受付窓口
【URL】https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken113.html
◇長崎県人権教育啓発センター
・LGBT相談デー(受付時間:毎月第3土曜日9時30分~13時)
【電話】090-5939-5095
◇長与町人権相談(特設相談)
原則、毎月第3火曜日に町内公共施設で開催(相談時間:13時~16時)
直近の相談日:
・12月5日(火) 長与町公民館(※相談時間10時~15時)
・12月19日(火) 長与町公民館
・1月16日(火) 北部地区多目的研修集会施設
※相談日は、毎月広報ながよでお知らせするほか町ホームページにも掲載しています。
■LGBTQ+についてもっと知りたい方へ
◇多様な性への理解と対応ハンドブック~ちがいが尊重される長崎県をめざして~
発行:長崎県人権・同和対策課【電話】095-826-2585
制作:Take it!虹(ていくいっとにぃじぃ)
※「Take it!虹」は長崎県内の性的少数者支援団体です。交流会や企業・団体への講師派遣などを行っています。
【HP】https://takeitnizi.wordpress.com
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