文字サイズ
自治体の皆さまへ

長崎県立大学 シーボルト校研究紹介Vol.29

6/38

長崎県長与町

長与町に立地する長崎県立大学シーボルト校。
すぐ近くの大学でどのような研究が行われているかをシリーズで紹介していきます。

■遠隔電話相談による見守りサービス
看護栄養学部看護学科
立石 憲彦 教授

一人暮らしをしている人や高齢者世帯にとって見守りサービスが必要です。突然の体調不良があったりして意識を消失したりするとそのまま死に繋がることがあります。見守りサービスが重要視されている中、取り組んでいる遠隔電話相談による健康見守りサービスについてご紹介します。
救急医療への専門性が高い看護師15名を中心としたグループのNPO法人N4(Nagasaki New Nurse Network)が電話健康相談サービスをおこなっています。夜間(21:00~翌朝7:00)に常時2名が電話対応できるようにシフトを組み、高齢者入所施設を中心に、施設利用者の様子が変・おかしい・外傷などに対する施設スタッフの不安や懸念に対して電話相談をおこなう体制を構築しています。相談事例はそれほど多くはありませんが、相談することによって安心に繋がったと報告されています。
相談事例を紹介します。80歳代女性の発熱の相談がありました。17時に38.0℃の発熱があり指示分の解熱剤を内服しクーリングをおこない、22時に37.3℃まで解熱しましたが、滝のような発汗があり介護者が不安になり相談をしてきました。既往歴や内服薬の内容とバイタルを聴取し、一時、酸素飽和度の低下(SpO2 90%)が見られましたが、電話対応時にはルームエアで95%まで改善していました。血圧が189/82mmHgとやや高いが、体温は37.3℃であり、呼吸・意識も特に問題は見られなかったことから、解熱剤内服による発汗が考えられ、このまま経過をみるような症状であることを伝え、何か困ったことがあったらいつでも電話しても良いと最後に伝えました。
今回の相談事例は、介護施設からのものですが、自宅からでも救急車を呼ぶべきかどうか、医療機関を受診したら良いかどうかの判断に迷うとき電話相談は価値があると思われます。今後も遠隔見守りサービスの充実に取り組んでいきたいと思っています。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU