障害のあるなしにかかわらず、すべての命はおなじように大切であり、かけがえのないものです。ひとりひとりの命の重さは、障害のあるなしによって、少しも変わることはありません。障害のある人もない人も、お互いに、その人らしさを認め合いながら共に生きる社会の実現のために、私たちにできることを考えます。
◆令和6年4月1日から「事業者」にも障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されます!
日常生活で提供されている設備やサービスなど、障害のない人は問題なく利用できるものでも、障害のある人にとっては利用が難しく、活動が制限されてしまうことがあります。
障害者差別解消法では、行政機関や事業者に対し、障害を理由とする「不当な差別的取扱い」を禁止するとともに、障害のある人から申出があった場合に負担が重すぎない範囲で「合理的配慮の提供」を行うことを定め、障害の有無によって分け隔てられることなく「お互いを尊重して共に生きる社会」を実現することを目指しています。これまで行政機関等は合理的配慮の提供は義務、事業者は提供するよう努めなければならないとされていましたが、令和3年に障害者差別解消法が改正され、事業者も令和6年4月1日から合理的配慮の提供は義務となります。
改正後
◆「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の提供」ってどんなこと?
「合理的配慮」の内容は、障害特性やそれぞれの場面・状況に応じて異なります。また、障害のある人への対応が「不当な差別的取扱い」に該当するかどうかも、個別の場面ごとに判断する必要があります。
例えば障害のある人が来店したときに…
✕→
・障害のある方は入店お断りです
・来店するときは家族と一緒に来てください
◯→
・欲しい商品があるのですが、目が見えないので売り場が分かりません
・それならお求めの商品の売り場まで案内しますね!
《不当な差別的取扱い》
障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として、サービスの提供を拒否することや、サービスの提供に当たって場所や時間帯を制限することや障害のない人には付けない条件を付けることなど。
《合理的配慮の提供》
障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が示されたときには、負担が重すぎない範囲で対応することが求められます。障害のある人と話し合い、お互いに理解しあいながら、共に対応策を検討しましょう。
(内閣府リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」より抜粋)
▽研修会「ユニバーサルアクションプログラム※」が行われました
※社会福祉法人ながよ光彩会が主催。合理的配慮について座学と実践を長与駅で研修しました。
〈主催者から皆さまへ〉
日常、何気なくすごしている職場、通っている学校の中にも様々なバリアが存在します。ユニバーサルアクションプログラムは「身のまわりにある小さなバリアに気づく力を身に着けてもらうこと」を目的として、障がい当事者の方々の声と視点から教材を作成し、当事者ご本人に講師を務めていただきました。参加者の方々は様々な立場から環境をチェックすることや、講師との対話を通して、日常の中にあるバリアに対し自分にできる合理的配慮について考えていただくきっかけになったようです。
国籍、年齢、障がいの有無を問わず、誰もが「自分のやりたいこと」ができる地域、そして社会を目指すには、私たちの「あたりまえ」の視点を問い直し、一人ひとりがバリアをなくすためのアクションを考えることが大切です。
社会福祉法人「ながよ光彩会」貞松徹さん
◆障害者の差別解消へ合理的配慮への取組みをお願いします
障害者差別解消法における障害者とは、身体障害のある人、知的障害のある人、発達障害を含む精神障害のある人、その他の体の働きや心に障害のある人のことで、障害者手帳を持っていない人も含まれます。必要な合理的配慮は、障害の特性などによって異なります。主な障害の特性と、合理的配慮の例を紹介します。
◯視覚障害…全く見えない人や見えにくい人がいます。
情報を音声や点字、拡大文字などで伝える
◯聴覚障害…全く聞こえない人や聞こえにくい人がいます。
手話や筆談などでコミュニケーションをとる
◯音声・言語障害…声が出ない人やうまく話せない人などがいます。
「はい」・「いいえ」で答えられるように問いかける
◯肢体不自由…体を思うように動かせない人などがいます。
簡易スロープなどを使って段差をなくす
◯内部障害…心臓や呼吸器などに障害があり、環境の影響を受ける人などがいます。
携帯電話やタバコの煙などに気をつける
◯知的障害…複雑な話を理解しにくい人などがいます。
絵や図などを使い、分かりすく説明する
◯精神障害…落ち込んだり不安に感じたりする人などがいます。
不安を感じさせないよう穏やかに対応する
◆私たちにできることは…
障害者差別解消法では、行政機関等や民間事業者だけでなく、私たち1人1人に対しても、障害を理由とする差別の解消に向けて自発的に取組むことを促しています。目が見えない人は、周りの状況が分からず、困っているときでも、自分からお願いすることが難しいです。周りからの「手伝いましょうか」という声かけがとても助かります。耳が聞こえない人は、声だけの会話の輪に入ることが難しいため、手話で話してくれたり紙に書いて伝えてくれたりすると、とても安心します。こうした手助けや気遣いにより、障害のある人は地域で安心して暮らしやすくなります。障害のある人が暮らしやすい社会を実現するためには、1人1人が障害について正しく理解し、自分にできることを考え、行動することが大切です。
不当な差別的取扱いや合理的配慮について詳しくは下記をご覧ください。
・内閣府リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」
・内閣府ホームページ「障害を理由とする差別の解消の推進」
※二次元コードは本紙P.6をご覧下さい。
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