文字サイズ
自治体の皆さまへ

《特集》祈り―ふるさと平和学習

1/45

長崎県雲仙市

終戦から78年目の夏
語りつくせない過去の真実を
未来に語り継いでいこう

永久の平和を願って
今、私たちができること

雲仙市内で起きた空襲や、各地に残る戦争遺構などについて学ぶ「ふるさと平和学習」が、6月5日〜7月14日、市内小・中学校でありました。この学習は、自分たちが暮らすまちで起こった戦災や、戦争にまつわる歴史についてしっかり学んでもらおうと、市教育委員会が一昨年度から取り組んでいます。
小学生用と中学生用に市内の戦災をまとめたテキストを使って講話を実施。中学生は、戦争の変遷とともに当時の新聞記事を追いながら、自分たちのまちのかつての様子に驚いていました。また、講話の中で、当時を知る住民のインタビュー動画も紹介。同級生が目の前で亡くなったつらさや、行動を制限され、勉強したり遊んだりする自由な時間がなかった苦難など、戦争体験者の生の声を聞きました。
グループ学習では、講話の中から印象に残った新聞記事を1つ選び、テーマを決定。この学習で学んだことや感じたこと、平和のために今自分たちができることなどについて話し合い、発表しました。
生徒は、今の平和で穏やかな生活に改めて感謝しつつ、戦争の悲惨さを後世に語り継いでいくことや、平和への誓いを胸に刻みました。

■日常の幸せを絵本から
図書ボランティアによる読み聞かせ
国見中では、市図書ボランティアグループ協議会による平和関連の絵本の読み聞かせがありました。同校初の取り組みで、同協議会メンバー9人が、1~3年生の各教室で朝読書の時間に行いました。
1年生の教室では、特攻隊がテーマの絵本「すみれ島」を読み聞かせ。戦時中、上空を飛ぶ戦闘機を見て、兵隊さんを応援しようとすみれの花と手紙を送り続けた子どもたちの話に、生徒はじっと耳を傾け、時折涙を浮かべながら聞き入っていました。
同協議会メンバーの「おはなしのへやぐりとぐら」の藤澤順子代表は、「何でもない日常が幸せなんだと気付いてもらえれば」と話しました。

■ふるさと平和パネル展
日時:8月2日(水)~31日(木)
平日 午前8時30分~午後5時15分
場所:千々石総合支所ロビー

ナガサキピースミュージアムの協力で、ふるさと平和パネル展(長崎原爆展同時開催)を行っています。ぜひお立ち寄りください。

■恒久平和を願い黙とうを
原爆死没者、戦没者の慰霊と恒久平和を祈念するため、サイレンを鳴らします。黙とうにご協力ください。
○広島原爆の日
日時:8月6日(日)午前8時15分
○長崎原爆の日
日時:8月9日(水)午前11時2分
○終戦記念日
日時:8月15日(火)正午

問合せ:地域づくり推進課
【電話】0957-47-7805

《祈り―国見中3年生「平和学習を終えて」》
▽宮原 妃乃さん
空襲に備えた家庭待避所はとても狭くて暗く「絶対に助かる」とはいえないと感じました。安全な場所さえなかった時代を二度と繰り返してはいけないと改めて思いました。今、平和に生活できていることに感謝したいです。

▽赤尾 昊樹さん
現在では、アメリカやイギリスなど他国の文化が生活に混じっているのは当たり前で、その文化が好きな人もいます。ですが、当時は一切許さず、看板でさえ掲げることができなかったのは、政府の冷酷さや非情さを感じました。

▽山本 凛さん
戦争一色に染まった日本では、自分の命までも捨てていかなければならなかったことを知り、改めて戦争の悲惨さを感じました。もう二度と戦争が起きないよう、まずは相手の立場に立って自分を見つめ直したいです。

▽久山 大達さん
今の自分たちの「普通」が「普通」ではないことが分かりました。戦争中の子どもたちは好きなことができなくて、可哀想だと思いました。今の時代に生まれて良かったと思います。自分の家に待避所を作るのは大変だと思いました。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU