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自治体の皆さまへ

特集 未来をつなぐ うえだ水道 100周年(1)

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長野県上田市

上田市に水道ができてから今年で100年を迎えます。私たちが今、水道を当たり前のように使うことができるのは、先人らが多くの課題を乗り越えてきたおかげです。この機会に、水道を使えることに思いを巡らせ、これからのうえだの水道のあり方を自分ごととして考えてみませんか。

■うえだの水道を振り返る
◆明治〜大正
▽水に恵まれていなかった旧上田
水道のはじまりは、柳町にある「保命水(明治14年完成)」と言われています。
水道ができる以前の飲み水や用水は、井戸水や河川水に頼っていましたが、井戸水を得るには10〜13m掘る必要がありました。

▽水道創設に向けての動き
大正時代に入り、赤痢菌などの伝染病の流行を契機に当時の上田町は、水道建設に動き出します。大正6年、水源を千曲川に決定し、財源を国の補助金に求めました。しかし、市でなければ国庫補助の対象にならないことから、大正8年の上田市制施行を経て、水道布設が始まりました。
工事は、市民の有志も手伝い、現在では考えられない短期間で整備が成されました。

◆大正
▽水道給水開始
大正12年6月、市内約3,200世帯に給水を開始。建設費は85万円、当時の市の年間予算の5倍近い大事業でした。当時建設した染屋浄水場の第1配水池は現在も使用されています。

◆大正〜昭和
▽取水に苦労する水道
給水を開始した水道は、千曲川水源の枯渇問題に悩みます。大正14年と昭和7年には水源地の揚水ポンプを増設し、昭和9年には千曲川河床内に河川水を集水する管路を新設しました。
戦争が始まると、軍事工場や疎開により飲料水の確保が一段と求められ、昭和20年には千曲川表流水の取水を開始しました。

◆昭和
▽神川取水の開始
終戦を迎え、電力不足や漏水により再び水不足に悩まされる中、昭和24年の台風により旧神科村の新あらやせき屋堰(用水路)が甚大な被害を受け、ずい道(山を貫通させた水路)の建設計画が浮上しました。
この計画に旧上田市が負担金を支払うことで、神川から取水が可能となり、千曲川と神川の2か所の取水による安定した水量が確保されました。
また、丸子町、真田町、武石村においても飲料水の水質悪化などにより、昭和30年代に水道事業が開始されました。

▽高度成長期を支える水道
昭和43年には、菅平ダムが完成し、神川の新たな水利権が確保されました。
これにより、真田町長地区に石舟浄水場を建設し、神科地区や豊殿地区への給水を昭和46年に開始しました。

◆平成〜令和
▽水需要減少の始まり
高速道路・新幹線が開通し、都市化が進む上田市の水需要は、下水道の普及拡大もあり増加が見込まれ、新たな浄水場の建設などを計画しました。しかし、市民の節水意識の高まりにより、水需要は徐々に減少し始めたことから、この整備計画は中止となりました。

▽平成の大合併で拡大する水道
平成18年に旧上田市、丸子町、真田町、武石村が合併し、人口約16万人、面積552平方キロメートルの新生上田市が誕生しました。合併当時の水道事業は、給水人口が14万3千人余り、給水区域は菅平高原から美ヶ原高原まで広がり、多くの施設を有することとなりました。
合併当初は効率的な施設管理や料金の統一に取り組み、また、湧水水源の安全性向上を目的に真田・武石地域の施設を強化しました。
平成29年には、市内に15あった水道事業を上田市水道事業に統合しました。

▽新たな水源の活用
四阿(あずまや)高原に位置するつちや水源や滝の入水源の湧水を、自然流下方式で真田地域へ給水するとともに、石舟浄水場経由で上田地域へ給水する整備事業に平成26年から着手しています。
真田地域への給水は令和3年12月から順次開始し、現在、施設の統廃合を目的とした浄水場の廃止や上田地域への送水に向けた工事を進めています。

◆表紙の写真
(中央上)染屋浄水場ろ過池の建設
(右上)現在の染屋浄水場ろ過池
(右下)現在の染屋浄水場第1配水池

■上田市水道創設100周年記念式典
市民の皆さまのご参加をお待ちしています(申込不要)
日時:7月7日(金)13:30~15:30(開場13:00)
場所:サントミューゼ 小ホール
内容:100周年記念映像の放映
記念講演 安全で美味しい水をいつまでも-上田市営水道百年のあゆみ-
講師…桂木 惠(かつらぎめぐみ)氏(上田小県近現代史研究会事務局長)
※会場の定員に達し次第入場をお断りする場合があります。

◆キャッチコピー
未来をつなぐ うえだ水道 100周年
ロゴマーク:上下水道局イメージキャラクター「あかりちゃん」を100周年バージョンにし、100を水道管で表しました。

■お知らせ
▽染屋浄水場見学会
水道水ができるまでを学ぶ機会として、染屋浄水場の見学会を開催予定(開催時期は改めてお知らせします)。

▽水道100周年とアリオのSDGs展
昔の水道関連の展示物や写真などを展示しています。
期間:7月末まで
場所:アリオ上田1階四阿流尾神社前(線路側出入り口)

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