■血糖値スパイク
血糖値の急上昇・急降下は糖尿病、脂肪肝、動脈硬化の引き金
◆血糖とインスリン
血糖とは、糖質(食物繊維を除く炭水化物)が消化され、腸から吸収された血中ブドウ糖のことです。吸収された血糖は、筋肉など全身の細胞に取り込まれてエネルギーになります。インスリン(すい臓から出るホルモン)がブドウ糖を細胞に取り込む働きを行い、血糖値が下がります。日本人(アジア人)は、インスリンの出が悪かったり、反応が遅れたりする傾向があるため、一気に糖を吸収するとインスリンの作用が間に合わず急激に血糖値が上がります。その後、遅れて増加したインスリンにより、今度は急激に血糖値が下がります。
◆血糖値スパイクの影響
この際の血糖値の急上昇・急降下を血糖値スパイクといい、図のような先端のとがったスパイク状の形をしています。血糖値スパイクにより、すい臓に無理がかかり、インスリンの出が悪くなったり効きが悪くなったりして糖尿病や脂肪肝になり、また、血管が傷んで動脈硬化をきたし、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。
◆血糖値スパイクはどんなときに起こるのか
砂糖(ブドウ糖+果糖)の入った炭酸飲料やスポーツドリンクなどのジュースの飲みすぎや糖質の多い食事、早食い、大食いなどで起こる可能性があります。朝食抜きや遅い夕食、デザートバイキングなどの食べ放題、飲み放題も危険です。空腹時の血糖は正常でも、食後に高血糖となっていると気が付かないため注意が必要です。
◆血糖値スパイクを防ぐには
飲料は炭水化物(ほぼ糖。野菜や果物ジュースでも食物繊維は除かれている)が多いものを避けて量は少なめに、食事も規則的に3食、先に野菜(食物繊維)やたんぱく質を摂ることにより糖の吸収をなだらかにし、最後に糖類をゆっくりよく噛んで食べると満腹中枢が刺激され、量を抑えられます。もちろん、食後1~2時間に軽い運動をして血糖をエネルギーとして使うことも大事です。
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