文字サイズ
自治体の皆さまへ

地域の未来を照らすみなさんを紹介します。キラリ★中野のチカラ No.120

44/48

長野県中野市 クリエイティブ・コモンズ

満留古農場 園主
小林博朗
こばやし・ひろあき 小布施町出身。石川県の大学に進学し、地元企業に就職。2014年、結婚を機に中野市に移住。2020年に満留古農場を義父から引き継ぎ、さまざまな品種のリンゴを栽培している。

■信州中野の乾杯酒はシードルで!
「シードルとの出会いは夫婦で訪れたスペイン。現地では、お茶代わりにシードルが飲まれているのを見て衝撃を受けた。リンゴを食べる習慣がある地域だからこそ根差しているシードルの文化に触れた。」
当時、国産シードルはまだまだ珍しく、手に入るお店も少なかった。全国各地から取り寄せて飲み比べ、「スペインで飲んだシードルとの違いに愕然(がくぜん)とした。『シードルのおいしさはこんなものじゃない』という気持ちから、自分で育てたリンゴで造ってみようと思った。」
そんな小林さんのシードル、初リリースは2020年。念願の自分で育てたリンゴでシードルを造れたことによろこびが込み上げたという。「すごくうれしかった。ただ、自分の理想にはまだまだ遠く、悔しい思いもあった。」
そんな初リリースから4年。今年のシードルはこれ以上ない出来だという。味が濃く、糖度も高いサンフジが収穫でき、本来の味わいを生かすために、ろ過をせず微発泡に仕上げた。
満留古農場では、農薬の使用は基準の半分以下、化学肥料や除草剤を使わず、色づきのための葉摘みをせずにリンゴを栽培している。「真っ赤で立派なリンゴはわずかしか採れない。ただ、うちはそれでいい。形が不格好でも、色むらがあっても、自然のまま栽培することでリンゴ本来の味やおいしさに繋(つな)がると思っている。」
中野市がワイン・シードル特区に認定されたことを受け、「よろこびもあったが、同時にプレッシャーも感じた。今は、税務署など関係機関と調整しながら、2026年の醸造所建設を目指している。」
歴史あるリンゴ農家を継ぎながら、理想のシードルを追い求める小林さんが大切にしていることは、「とりつくろわない。きれいさを求めるのではなく、自然体であること。大きな目標は特になく、先代から引き継いだ理念、農法、園地を大事にしながら、リンゴやシードルを求めてくれる方々や支えてくださる皆さまと自然の恵みを分かち合える存在でいたい。」

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU