市出身の国文学者高野辰之博士が作詞した唱歌「故郷」「朧月夜」。
今もなお歌い継がれるこれらの唱歌が、今年で誕生から110周年を迎えます。
今回の特集では、辰之ゆかりの場所とともに、記念事業についてもご紹介します。
■高野辰之(1876-1947)
水内郡永江村(現:中野市大字永江)に生まれ、厳しくも愛に満ちた家庭環境と豊かな自然の中で育つ。下水内高等小学校を卒業後、母校の永田尋常小学校で代用教員を勤めた。その後、長野県尋常師範学校(現在:信州大学へ統合)へ進学。
東京帝国大学教授の上田萬年(うえだかずとし)博士と出会い、文学研究を始める。博士の下で国語・国文学を研究し、「文部省国語教科書編纂(へんさん)委員」に選ばれる。国が初めて発行した国定音楽教科書「尋常小学唱歌」を編纂する一方、唱歌や全国各地の校歌を作詞する。
辰之が作詞した「故郷」、「朧月夜」などの唱歌は、同じ編纂委員で鳥取県鳥取市出身の岡野貞一(おかのていいち)が作曲をし、文部科学省が定める小学校歌唱共通教材24曲のうち、6曲を占める。
▽1 高野辰之記念館
開館時間:午前9時~午後5時
入館料:一般300円/高校生以下150円
高野辰之記念館は辰之が通い、教員も務めた永江学校・永田尋常小学校の後身である永田小学校の跡地に建てられています。
▽2 高野辰之生家
午前9時~午後5時
1876年4月13日、辰之が誕生した生家。辰之が本を読む中、家族が気付かず鍵を閉めてしまったとされる土蔵が今も残っています。
▽3 天正寺
午前9時~午後5時
高野辰之生家の菩提寺(ぼだいじ)で、辰之直筆の掛け軸が残る寺。新たに嫁いだ嫁の定着を祈願する伝統行事「嫁せんぼう」が毎年4月に行われます。
▽4 真宝寺
午前9時~午後5時
唱歌「朧月夜」の二番で歌われる“かねの音”はこの寺の鐘の音だといわれています。
▽5 真宗寺
午前9時~午後5時
辰之は、飯山高等小学校の教諭時代(1898年)、下宿先だった真宗寺住職の三女・つる枝と結婚しました。
▽6 おぼろ月夜の館
休館日:毎週(月)
※祝祭日の場合(火)
開館時間:午前9時~午後5時
入館料:一般300円/中学生以下150円
1934年、辰之は野沢温泉村の麻釜近くに居を構え、温泉を引き込み対雲山荘と名付け、大好きな温泉に浸かり晩年を過ごしました。
■唱歌「故郷」「朧月夜」誕生110周年
スタンプラリー
~11/30(土)まで
参加方法:『高野辰之記念館』または『おぼろ月夜の館』に有料入館していただいた方にスタンプ台紙をお渡しします。
※スタートとゴール(「高野辰之記念館」または「おぼろ月夜の館」)以外のスタンプを押す順番は自由です。
先着200名様
6つのスタンプを集めてもらおう!
※下の創作土人形から一つをお選びください。
※景品は「高野辰之記念館」または「おぼろ月夜の館」でご用意しています。
・信州なかのちゃん
・よるナカノちゃん
・月の兎(白or黒)故郷110周年記念バージョン
■開催予定の110周年記念事業
辰之が残した功績をたたえるとともに、作品の魅力をさらに広く知っていただくための記念事業を現在計画中です。
詳細については、来月以降の広報なかのなどでお知らせします。
▽みんなで唄う『唱歌「故郷」「朧月夜」を歌いつなぐ会』
「故郷」「朧月夜」など辰之作品を含む唱歌童謡のコンサートを開催。
来場された方とともに歌ったり、楽器を演奏したりなど参加型コンサートを予定しています。
開催日:10月20日(日)
会場:市民会館ソソラホール
▽「わたしの中のふるさと」をテーマとした川柳を募集
皆さまから川柳を募集し、審査発表会を開催し表彰を行います。
順位に応じて賞品なども贈呈する予定です。
▽唱歌「故郷」リレー形式動画の作成
高野辰之記念館に来館いただいた方など、多くの皆さまにふるさとの情景を背景に「故郷」を歌っていただいた動画をリレー形式につなぎ合わせます。
作成した動画については、動画投稿サイトに投稿します。
中野市魅力発信VTuber信州なかのちゃんとのコラボも予定してるよ!
ほかにも事業の集大成となるイベントも計画中!
問合せ:高野辰之記念館
【電話】38-3070
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