■NAKANO DROP 店主
村井照太
むらい・しょうた 愛知県名古屋市出身。2021年8月から地域おこし協力隊として活動し、2024年3月に退任。東町の空き家を活用したカフェandバーNAKANO DROPで古道具販売、DIYのイベントなどを開催している。
空き家をおもしろいことの拠点に
「成り行きにまかせたら、場所も名前も知らなかった『ちょうどいい田舎』中野市に来ていた。」
2021年8月から地域おこし協力隊の空き家対策担当として活動し、利活用希望者と所有者とのマッチング支援、利活用や管理のノウハウを発信。自身も退任後を見据え空き家を探したが、その難しさを実感したという。
「相談窓口という存在の重要性を感じた。自分は、ご近所さんから所有者の方の連絡先を教えてもらいつながることができた。空き家の掘り起こしや苦情対応でも頼りになる『ご近所ネットワーク』は大事だなと。下町のような街並みと人が温かくお気に入りの東町エリアで見つけられてよかった。」
そんな苦労を経て立ち上げたNAKANO DROPは、空き家活用のモデルにしたいという。
「内覧から契約、専門業者による改修とDIY。建築関係の知識も経験もなかったが、実践したことで相談窓口としてより専門的な案内ができるようになった。建築分野を志す地元の高校生にもDIYに協力してもらい、現場の職人さんとつながるきっかけにしてほしいなと。」
相談窓口には、利活用希望者からの問い合わせが圧倒的に多いという。それでもまだまだ市内には空き家が目立つ。
「自分も、後任の近藤隊員も空き家相談員として活動しているが、市内の空き家全ては把握しきれない。所有者の方には、自分が思っている以上にニーズがあることを知ってもらい、お茶をするぐらいの感覚で気軽に相談に来てほしい。」
知人と立ち上げた空き家に特化した業務を手掛ける(株)SiiZが市の空家等管理活用支援法人に指定されるなど、地域に根差して活動する村井さん。今後挑戦したいことは、「アートと文化で人と地域をつなぐプロジェクト。例えば、豊田地域で音楽フェスを開催するなど、地域ならではの『らしさ』をさまざまな表現で伝え、それに魅力を感じる人たちに来てもらう。もしかしたら、フェスをきっかけに空き家を活用して移住する人もいるかもしれない。それぞれの地区ならではの魅力=『そこでしか生まれないものと、そこでしかできないこと』が空き家対策と地域活性化の可能性に。」
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