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カフェ序章 高野直之
たかの・なおゆき 千曲市出身。柳沢地区の空き家をリノベーションし、高校時代の同級生と2022年11月にカフェ『序章』をオープン。調理を担当し、パスタなどのほか、市内産の果物を使用したスイーツやドリンクを提供している。
■人のつながりがはじまる場所に
「構想は6~7年前から。県内でリノベーション可能な物件を探し、不動産業者に相談してこの空き家と出会いました。」
高野さんとともに『序章』を営むのは、高校の同級生だった東京都出身の柿沼裕太(かきぬまゆうた)さん。
「おもしろい場所を作れたらいいな、と話すようになったのは卒業後。業態は決めていませんでしたが、人が集まるところを考えたらカフェだなと。」
物件の購入からオープンまで3年。二人で一からリノベーションした店内には、今日もお客さんの笑い声が響く。
「最初はプロにお任せしようと思っていましたが、やってみたら?と大工さんに言われて挑戦。もともとDIYの知識も経験もなかったけど、だんだんと自分たちで行う作業が増え、仕事をしながら週末に現場へ通って完成させました。」
試行錯誤を繰り返して作り上げたお店だが、まだまだアップデートしたいところもあるという。
「外壁も仕上げる予定です。雰囲気に合っていると言ってくださるお客さんもいますが、あれは完成形ではありません(笑)。2階も作品が展示できるギャラリーや宿泊施設にするのもいいなと考えています。」
そんなカフェ『序章』のコンセプトは「見えないところ、気付かないところまでこだわること。二人で美術館やホテルへ行き、インスピレーションを受けています。」
例えば、壁の塗装はベルギーのモールテックスという左官塗材を使用。セメントのような質感で無機質な雰囲気に仕上げている。また、椅子は北欧のデザイナーズ家具のオリジナルを置き、グラスやカトラリーなども作家のもの。わかる人にはわかる、ディテールの部分を大切にしている。
自分たちの店は「絶対に入りづらい」と笑いつつ、「だからこそ来てくれた方には緊張せずリラックスして過ごしてほしい。どこから来たの?と話しかけ、コミュニケーションをとることを心がけています。」
今後は、さらに市内産の果物を使用したメニューを提供していきたいと高野さん。
「移住して感じたのは、本当に果物がおいしいということ。市内の方は当たり前だと思っていて、生かしきれていないことがもったいないなと。こういうことに気付けるのが移住者の強み。中野市の良さとしてもっともっとおいしさを伝えていきたい。」
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