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公民館報いな-地域のアンテナ[東春近地区]

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長野県伊那市

■歴史の証言者「地名」を後世へつなぐ
竹松亨(たけまつとおる)さん

今回は、市内の地名・歴史研究を行う竹松亨さんにお話を伺いました。
平成24年から7年かけて、市内84グループで行われた古い地名調査。竹松さんはその調査活動の中心となり、各地区の地名を冊子にまとめました。
教員として学校に勤めていた竹松さんは、近世(江戸)の農村研究を専攻として自身の見識を深めていました。35歳まで続けていた研究から一時離れ、現在の活動を行うきっかけが訪れたのは、67歳のとき。市で地名調査を行うにあたり、竹松さんの研究者としての経験を生かしてほしいと声が掛かりました。「近代の土地開発・区画整理などにより、失われている地名がある。その地域が歩んできた証である『地名』を、何とか後世に残したい」という思いで、地名調査編集委員としての活動がはじまりました。調査にあたり、各地区への説明を経て、84グループ、828名の調査員が組織されました。これだけ大きな規模での活動に加え、「地名を調べる中で、自分も現地へ行く。そこでまた、地域住民の方々の知恵をお借りする機会もあった。それだけ多くの方の協力で、調査を進めることができた」と話します。「古い地名には由来がある。土地に対する人々の思いや、忘れてはならない教訓など、まさに『歴史の証言者』といえるほど大切なもの」と、竹松さんは振り返ります。
現在は各公民館などで地名歴史講座や古文書教室の講師として活躍する傍ら、編さんが進められている「伊那市誌」においても、「伊那市の地名を探る」を担当されています。
自身の農村研究を通して「調べる」ことにやりがいを感じていた竹松さん。「自分に合っている活動だからこそ、ここまで続けることができた。人生で一番やりたかったことが今できて、幸せを感じています」。これからも、市内の歴史を紡ぐ竹松さんの活動は続きます。

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